第71話

夏希視点


 最近、時間が経つに連れて私の大切な関係が薄れていく。私も月宮さんのように全て諦めてただ座る生活をしたいな。だからその前に最後にやりたいことをやることにした。


 「ゆうくん、好きです!付き合ってください。」


ゆうくんは話しかけても無視してすぐに帰ろうとするので思いっきり告白することにした。


 「・・・」

ゆうくんは一度私を見るが、何も答えず教室を出る。


 振られちゃった。


 するとクラスの女子達はほぼ笑っている。

 笑って居ないのは、椎名と雲野、月宮だけだ。


 椎名が直ぐに私の元に来る。


 「夏希、大丈夫、あと今笑った奴許さないからな。」

椎名はクラス全員に言う。椎名はこんなことを言うキャラじゃない。けど私の為に言ってくれたのだろう。


 「その、ドンマイ。」

雲野が私に言うがこいつには言われたくない。


 「うるさい。」


「えっ」

 

「夏希?」

椎名が私にいつも向けない不満な顔をする。


 一回だけ、うるさいって言っただけじゃん。そんな顔をしないでよ椎名。よく考えたら、こんな顔、私が一人だった時よく向けてたな。


 そういえば、私優くんと関わる前は、元から色んなことを諦める性格だったな。


 昔に戻るだけだ。


 「クラスの新しいネタ見つけたね。」「本当にさっきおもろい。ゴミにもいいところあるじゃん。」「つか、アンタそこの二人とも喧嘩したの?」

 クラスメイトは各々話をしている。


 「夏希、」


つか帰ろう、私はもう家に帰って本を読もう。


 「まって夏希!」

   

 そして今腕が掴まれた気がするが、私は振り解いた。


ーーーーーーーーーーー

 優視点


 楽しいバイトの気分が残っている状態なのだが、


 「あ、ゆ、最悪。」


 お隣さんだ。流石に幾ら嫌いな相手でも、同じマンションの隣に住んでいるから、関わらないままには行かない。このマンションの住人に迷惑をかけたくない。だから一応挨拶程度に軽く頭を振る。


 「うわ、キモ。」


そして、俺は家に入る。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る