第70話

【出来ればなんですが、雪くんがどう思っているか聞いて貰っていいですか?・・・もちろん好きな事は秘密でお願いします。】


「二里って子が雪のことを好きみたいなんだけど、どう思う?」


「嫌いですね。」


 「即答だね。」


「はい!同じ中学の奴は嫌いです!あと、どうせ嘘ですよ。そうやって言ってくる人が沢山いましたから。」


確かに雪はあの事件以降、雪に言い寄ろうとしてくる奴が沢山居たと言っていた。


 「一応聞くけど、二里って子とどんな関わりをしたの?」


「中学までは、陰口言われてました。」


「アウトだな。」


「中高含めて会話をしてないのですが、一応財布を届けたり傘をあげたりしました。」


??


 「そういえば中学の受験の時には、彼女に友達が完璧に居なくなってたんですよね。そして、一人で教室に残って勉強していたのが可哀想なので、手伝ってあげたくらいです。」


 「雪はやっぱり優しいな。」


「先輩に言われるとテレますね。そもそも、付き合うなら先輩くらい優しく面白い人じゃないとダメですよ。」


雪は素直な顔で、本当に本心から褒めているんだけど、そのレベルは案外簡単にクリアされるぞ?


「・・・雪、一つ聞いて??」


「何ですか?」


「俺も一応一人なんだけど、」


「先輩は一人で居て下さいよ!じゃないと俺が一緒にいる時間減るじゃないですか!!」


 だから雪はモテるんだよなー。


「雪って誰かと付き合う気はないの?」


「今はいいです!先輩と居るのが楽しいからいいです!先輩は?」


「俺も無いな、まなちゃん以外はあり得ないな。」


ーーーーーーーーーー

 24話の女 なつき視点 

 まなって月宮が言っていた女のこと?

 

 まだ優くんは未練があるの?まなって人は亡くなったんじゃ無いの?


 やっぱり私は無理なのかな?


 諦めるしかないの?


 最近は雲野のせいで、椎名とも話す時間も無くなっている。


 優くんへの想いも無理なら、私には残る物は何も無い。


 なんか、疲れたな。


 最近、月宮が羨ましく見えてくる。全て諦めたように壊れて、ただ学校に来ているだけなのが楽そうでいい。


 私もそうなろうかな。

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