第44話

会話は結局続かず、義妹は部屋自分の部屋に行った。


 俺も久しぶりに自分の部屋でゆっくりすることにした。


 「義母さん、俺昼買ってあるから、作らなくて大丈夫だよ。」


「、、、うん。」


冬華は、義母に手を置く。


 久しぶりだ、昼にこの部屋にいるのは。ベットで横になり、絶妙に眩しく入る光。懐かしさと辛さを感じて複雑に感じる。


 ノックの音が聞こえる。

 

 「誰?」

春香の場合は、嫌でも会話しないといけない。


 「お姉ちゃんだよ。」

じゃあ、話さなくていい。じゃあ無視でいい。

「、、、返事なしか、ねぇ扉開けなくていいから、聞いてくれる?」


嫌だ、と言いたい。


「久しぶりに、ゆうが戻って来てくれて嬉しかった。」

 あー、始まってしまった。本読みたいのに


「ゆうはまだ許してないよね」

まだ、、、ね


「きっと何か理由があって家に来たんだと思う。もしかしたら私達のことで何か理由があるのかもとも思っての。」

うるさいな。


「それでも、私は嬉しかった。、、、ごめんね、本当に私が悪いことにしたのに勝手に思って。」

 冬華の泣き声混じりの声が聞こえる。

 


「本当に、本当に今までごめんね、帰ってきてくれありがとう。」

 うるさいな、まじで耳障りだわ。


「もっとしっかり、お姉ちゃんやっていれば」

はぁ、、、だる。

 そもそも、お姉ちゃんと言っても同い年だし、その上から目線の考えがすでにアウト。


「私、これからはゆうの為だったら何でもするから。もう、これ以上ゆうを傷付けないようにするから。」

なら、妹をどうにかして、、、


「お願い、ゆう、返事を返事して欲しい。もう一度お姉ちゃんと話をして欲しい。」

うるさいな、、、はぁ


 扉を開ける。

 ひどい顔してるな、土下座の時より酷いぞ。

 「あっ、ゆう」


 「俺のために静かして」

  そして、扉を閉めた。


 俺はもう、家族と仲良くする気はない。むしろ、憎しみしかない。

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