第43話

俺は朝はやく目を覚ます。


 そして、家の中を見て周る。まだ誰も起きてないようだ。

 春香の部屋には入ることは出来ない。仮に強引に入ったとしても入手することは出来ないだろう。


 会話したくないな。

 でも、ボロを出すかもしれない。


 それに、やらないとまた誰か学校で傷つく人が出るかもしれない。


 気合いれも、含めて一度まなちゃんの元に行って、バイト先でご飯を食べて、昼頃に戻った。


「嘘、ゆうくん?」

「えっ、ゆう?」

「本当にお父さんのと言う通り、お兄ちゃん帰ってたんだ。」

義理家族達は驚いた表情をしている。最近はこの時間は家に居なかったし。


「ゆうおかえり。どこ行ってたんだ。」

 昨日は、思わず無視しようとしてしまったが、やっぱり話さないと駄目だよな。


「、、、ご飯食べて来た。」


 「そっか、、、残念だな。久しぶりに一緒にご飯食べれると思ったが。」


「、、、ごめん、お父さん」

あー辛


 「いや、いいんだ。何食べて来た?」


「焼きそば」

一番俺の好きな食べ物だ。


 「そうか、朝からボリューミーだな。」


「育ち盛りだし。」

話すことが疲れるし辛い。


 「、ゆう、、、帰って来てくれてお姉ちゃん嬉しいよ」

帰るより、俺は地獄に来たような気分だか。

 あと、そろそろお姉ちゃん呼びやめて欲しい。特に家では。


 「、、、」

喋らないといけないのに口が出ない。


 家にいるからだろうか、学校よりも会話する気が失せてる。


 「、、、あっ、いいよ無理に話そうとしなくても」

  本当に、謝罪以降からお前誰だよ。キャラ変わりすぎてひく

  

 「、、、ゆうくん、もちろんお母さんも嬉しいよ。出来れば今度はご飯も食べて欲しいな。」

どうせトマトだろうな。すでに食卓にあるし、


 「、、、、、、」

やばい、本当に言葉が出ない。

 

「お兄ちゃん」


 「どうした?」

何とか言えた。義務感が勝った。


 「前に机に入れといた、ストラップ見てくれたかな?」


!!!

  

 あれは春香が用意した物だったのか、


 本当に辛い。


 「見たよ。」


「そうなんだ。でもそのままんだね。」


 怒りが、悲しみがやばい。でも抑えろ。


 「あぁ、あれは置いとく。」


「そっか、出来れば大切に使って欲しいな。」

どの口が言うんだ。


「それは、俺の自由だろ。」


「そうだね。残念。」

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