第27話

家の雰囲気が最悪だ。


 お母さんはゆうに会ったと聞くが、あの様子ではよくなかったようだ。



 そして、家だけでなく、クラスも酷い。


 「冬華さ、最近、調子乗り過ぎじゃない?」

 クラスメイトの華さんだ。


「ごめん、そんな気は無かったんだ。」


「冬華は調子に乗ってなんかないよ。」

 村上くんが擁護してくれた。


「いやさ、最近、あのゴミにみんなで謝らせたりしたのに、あいつ全然変わんないじゃん」


  ゴミはゆうのことだ。

 私は一瞬怒りそうだったが、今まで自分が言っていたことに気づく。


「それは、俺も、正直思う」

 村上くんは下がった。


「ゆうは、戸惑っているだけなんだよ。急にクラスが態度を変えるから」


「あのゴミがこれからどうしようが、どうでも良いの。アンタが最近調子乗り過ぎなの」

 確かに、最近私はクラスメイトに頼み事を多くしていた。

 調子に乗ってると思われても仕方ない。


 駄目だな、私。元からゆうが避けられる原因を作ったのも私なのに、それを自分勝手に止めようとして。しかも、むしろゆうは最近もっと私達に酷い目をするようになった。


 「冬華、あのゴミに謝る前に、私達に謝るべきだったね」


  いつも、ゆうはこんな景色を見ていたのかな。

  哀れだな、私。


 こんな姿をゆうに見られたくないな。


 とりあえず、謝らないとな、全部私が悪いし。


 「ごめんなさい」


「はぁ、そんなで済むと思ってるの?私達もアンタのために頭を下げたのよ、あのゴミに」


私が悪いからな


 そのまま土下座をした。


 「ごめんなさい」

あー、せめてゆうにだけは見られなくたいな。


 駄目なお姉ちゃんでごめんね。


 パシャ


 写真も撮られてしまった。


 仕方ないか、せめて

 「その、写真ゆうだけには見せ」


「本人に見せないでって言っても変わんないだろう。」

 ゆうに撮られていた。


 「冬華、そう簡単に土下座するもんじゃないぞ。春香やお義母さん、俺まで舐められるからな。」


「、ごめん、ゆう駄目なお姉ちゃんで」

 本当に、駄目だ。


「家族だな、、、それより、山理 華さん。」

 ゆうは何か思い出した顔をしている。


「なによ、」


「アンタ、俺のことゴミって言っていたけど、君は数少ない方なんだよね」


「何がよ。」


「直接、言って来ないやつ。」


「はぁー?もう聞かれたんだし、言うわよ。アンタみたいゴミ!クラスにいるな!」

ゆうと近いよ、華ちゃん


「ちなみに、なんで俺がゴミなのか参考に聞かせてくれる?」

 ゆうは煽るような口調で話す。


「それは、、、口悪いし、クラスに協力しないで、陰口ばっかり言ってるからよ。」


「へぇー凄い俺のことよく言ってくれるね。俺ってボッチだから、陰口話す相手もいないんだけど、」


「さっきのは言葉のあやよ。」


「後俺、クラスの出し物中は、意見は出してるよ。」


「アンタが使えない意見ばかり出すからでしょ。」


「そっかごめんね。」


「キモいは、」


「俺が?」


「そうよ!」


「そうなんだ、、、つか冬華そろそろ立てよ。」


「え、、うん」

 少しビックリしたようだが、ゆっくり立った。



「アンタ、急に口調変えてどうしたのよ?」


「いや、特には。ほらそろそろ行くぞ冬華、それよりじゃあね」


「はぁー、アンタ待ちなさい。」


「あ、華ちゃん、」

 私は華ちゃんの怒った顔が気になった。

 

「冬華は黙って、着いてこい。」


「、、、うん」

 わたしはゆうについて行った。

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