踊る鼓動

夢の対決

韓国オリンピックが開幕して開会式に蒼唯、里奈ぴょんは日本代表としてセレモニーに出る。歩いていてやっと始まるな、連覇に向けての戦いが始まったと身が沁みる思い。


ホテルの部屋に戻って里奈ぴょんにオリンピックの戦い方、心得は何かと尋ねられた。


個人戦、団体戦共に言えることがあるけどまずは初戦で空気に飲み込まれないこと。大観衆の中でプレーをするからいつも以上に緊張するけど深呼吸して精神を落ち着かせてビハインドの場面でも自分なら大丈夫と唱えることかなと伝えた。


そして迎えたアーチェリー個人戦の初戦になる。蒼唯と里奈ぴょんは別会場で行われるため、ホテルの部屋でお互いの勝利をまた会おうと言い合ってそれぞれの会場に向かう。


蒼唯は危なげなく初戦に勝利してホテルに戻って里奈ぴょんの欠課を待っていた。スマホで確認すれば結果は分かるがどうせなら本人から勝敗を聞きたいと思っていた。


数時間後に里奈ぴょんがホテルに戻ってきて初戦突破したことを伝えられ、勝利の門出にお酒でも飲もうと思って提案をしたがそれは日本を優勝に導くまでは我慢するよ。


だがら今日はお水にして勝ち上がる事にグレードを上げようとしていた。人懐っこくてどこに行くにも一緒に付いてきてくれる里奈ぴょんが凛々しい日本代表の選手になっている姿を見て感動をする。


個人戦で初戦を勝ち上がってしばらく期間が空くことになるがその中で今度は日本代表として団体戦が始まる。三島蒼唯、横山里奈を擁して団体戦でドイツ戦に勝利をする。


そして個人戦を勝ち続ける傍ら団体戦の試合でも勝ち進みあと何試合韓国でアーチェリーが出来るのだろうと楽しんでいた。蒼唯だけでなく、里奈ぴょんも世界の強豪を次々と勝利してあれよあれよと準決勝まで進出していた。


個人戦の準決勝の翌日、団体戦の日本は準決勝でイタリアに勝利をしてひと足先に決勝進出を決めて対戦相手は開催国でもある韓国に決まる。


その翌日には個人戦で準決勝が行われて三島蒼唯、横山里奈とそれぞれ勝利をして決勝戦は待望の日本人対決となる。日本のメディアでは三島蒼唯のオリンピック連発か、それとも横山里奈が初優勝を飾るかと盛り上がっていた。


個人戦決勝と団体戦決勝は同日で午前中に団体戦が行われて午後に個人戦が行われる。同日に個人と団体戦の決勝で心身共に疲れるな、僅かの時間でどれだけ回復出来るかがターニングポイントになると感じていた。


午前中の団体戦で攻防戦の末、日本代表が優勝を飾る。蒼唯、里奈ぴょん共に個人戦決勝に少しでも体力を残しておきたかったがそれをさせてくれないのが決勝だなと感じていた。同じ会場で時間まで別部屋で待機。


蒼唯、里奈ぴょんもお腹が空いているが食べる気にはなれない。まだ日本人対決があるのにしんどい、ぐったり、ないわ。そんなことをお互いに呟いていた。


数時間仮眠をとって蒼唯、里奈ぴょん共に起きて準備をして試合まで備えていた。あおいたん、最後の試合で戦えることが嬉しいよ。お互いに悔いのない試合にしようと握手を交わす。


アーチェリー個人決勝戦、三島蒼唯対横山里奈との試合でお互いに矢が中心に集まってどちらが勝ってもおかしくない戦いだったが決まらずにサドンデス方式の延長のシュートオフにまでもつれる。


お互いに矢を放ち、僅差で蒼唯が勝ってオリンピック連覇を果たして幕を閉じた。その日の夜に表象式に出席をしてメダルを空に掲げた。夢が叶った瞬間に里奈ぴょん、そしてこのメンバーと来られてよかった。


帰る前に

閉会式を終えてこれで韓国でのオリンピックが終わった。翌日に日本代表選手、コーチ、トレーナー等は日本に帰ったが蒼唯と里奈ぴょんは韓国に残っていた。観光してから帰ろうと蒼唯が里奈ぴょんに誘った。


遥華ちゃんに電話をかけて舞莉矢ちゃん、奈緒ちゃんも連れてきてよ、5人で遊ぼうよ。里奈ぴょんが韓国でチマチョゴリ着たりしたいって日本にいる時からずっと言っていて韓国でオリンピック開催が決まった時から待ち遠しいって言ってたからとお願いをする。


朝早くに迎えに行くから指定の場所に来て欲しい。

しばらくすると指定場所が送られてきて検索をするとショッピングモールでホテルから歩いて行ける距離にあった。


午前9時、言われたショッピングモールが開店するのを待っていると入口で待っていると舞莉矢ちゃん、奈緒ちゃん、遥華ちゃんが来た。この5人で集まるの久しぶり。


開店するしてまず、里奈ぴょんの夢を叶えるためにチマチョゴリを着れるお店に向かってみんなで着る。何度見てもかわいいしこれを着ると韓国に来たなと感じる。


その後、エステやアパレルショップを巡っていると午後1時になっていた。お腹空いた、でも時間をムダにしたくないと全員同じカルビタンとキムチセットを注文をする。


味もあっさりしているのに深みのある味わいでホールケーキを1人で食べ切る里奈ぴょんには胃袋に優しいカルビタンを毎日食べてもよさそうな食べ物だなと蒼唯は感じていた。デザートにクロッフルを追加注文をして食べる。


しばらく歩いていると日本でいうパフェみたいなものを見つける。舞莉矢ちゃん、あの大きいみたいなものは何?美味しそうなんだね。


目を輝かせてお店を眺める姿は何が言いたいか蒼唯にはスグに分かった。みんなで食べに行こうと言い出すのは時間の問題、大きさによってはシェアしないと平気で食べきる。不安のままお店に向かう。


ボンボンの大きさに驚く。里奈ぴょん1人前を注文し、もう1つ注文をして蒼唯、舞莉矢ちゃん、奈緒ちゃん、遥華ちゃんでシェアをした。


里奈ぴょんは笑顔でいただきますと手を合わせて「あむっ」と美味しそうに食べる。スマホを取りだして全員で写真を撮る。ネットで予約した飛行機のチケットを確認するとそろそろ仁川いんちょん国際空港に行かなければその日に横須賀に帰れない。


名残惜しいが蒼唯と里奈ぴょんは羽田国際空港に飛んで行く。門限ギリギリに寮に着くことが出来たが里奈ぴょんは突然、お土産を買い忘れたと凹んでいた。


またプライベートで韓国に行こうと伝えると笑顔でベッドに入って眠りについた。

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