参考にしよう

月に何度も

遠征で群馬県高崎市、福島県猪苗代いなわしろ町と行って個々の課題とお土産を持ち帰ることが出来た。全国には自分より強い選手がいることを身をもって感じた。


練習していても蒼唯からみてみんなレベルアップしているなと感触があった。客観的なものだけではダメ、数値化しようと毎日練習で点数化をしている。


その日だけで見るのではなくてあくまでも週平均、月平均で調子の良し悪しを確認して欲しいとコーチからは伝えられていた。


そうすると横須賀食品を代表する選手でもある蒼唯や里奈ぴょんでもその週は点数が良くても翌週は良くないと感じることがあった。強くなったと個人的に思っていても数値化してみるとそうでもないことが分かる。


この手法は福島遠征で磐城いわきアーチェリー部が取り入れていて練習場に貼りだされていた。


まるで学校の成績を知られることに恥ずかしい気持ちもあるがそれでも見える化することによって自分にも仲間にも負けたくないと相乗効果になるとコーチ、そして選手自身がそうみ取っていた。


スポーツは基本的には勝つか負けるかしかない。競技や場合によっては引き分けがあるが点数化をすることによってよかったな、遠征に行っても点数を付けたいと蒼唯は考えていた。次の遠征が楽しみになってきた。


次の遠征は福岡に決まる。

まさか関門海峡を越えて九州福岡に行くことになるとは考えもしなかった。観光までは出来ていないがその土地で自分の実力を試すことが出来るし、ご当地グルメやお土産が買えるとそれなりに楽しんでいた。


それは遠征をしたいとコーチに伝えた発起人ほっきにんでもある里奈ぴょんもそうだった。観光バスで横須賀から羽田国際空港に向かい、福岡空港に飛び立つ。


初めての飛行機だったからなのか隣にいる里奈ぴょんは蒼唯の手をずっと離さず握っている。降りてそこから久留米くるめアーチェリー部のある福岡県久留米市に観光バスに乗りこむ。


途中、立ち寄った道の駅でお昼ご飯にご当地の久留米ラーメンと博多ラーメンをそれぞれ単品で頼み、翌日向かう久留米アーチェリー部の近くにあるホテルに向かう。


部屋に荷物を置いてみんなで居酒屋に向かう。お酒は飲まなくてもいいから福岡グルメを食べ尽くしたいと里奈ぴょんが水炊き、明太子、焼鳥と続々と注文をしていく。


遠征で色々な場所に行けるのは里奈のおかげだよ、ありがとう。チームの底上げと言っていたが実はご当地のグルメやお土産を買いたいだけだったりしてと笑いながら話していると図星といった顔をしている。


人数が多ければ1人当たりはそれほど高くないねと言ってホテルに戻る。あれだけ食べたのにおやつ何を食べようかと話している里奈ぴょん。満腹という言葉を知っているのか、胃袋はどうなっているのか聞いてみたい。


翌朝、食べ過ぎのせいか胃もたれしている里奈ぴょんの姿を見て昨日の夜あれだけ食べたらそうなるよと言いつつバスに乗り込んで現地についていつものように自社の商品とティッシュを渡して練習に取り組む。


胃もたれをしていた里奈ぴょんは完全復活をしていつもの様なパフォーマンスを見せて試合形式をして点数を付けて福岡空港に行く。お土産を買って横須賀に戻る。


里奈ぴょんの両手に持つ紙袋には大量のお土産が入っているだろうなと思うがまたかと思い、何かの景色としか見えなくなってきた。


情報収集

ハロウィンが過ぎて寒くなって来た日に練習後、コーチから全員集められる。全国アーチェリー協会から連絡があって都道府県対抗で対象は小学生のクラブから社会人クラブの団体戦で競う大会が行われるみたい。


みたいって具体的な日時や予選とかは決まっていないのかなと見ていた。横須賀食品アーチェリー部としては誰が団体メンバーに選出されても勝てる実力を付けている。蒼唯や里奈ぴょんも選ばれない可能性だって有り得る。


予選の日程が決まるまで毎週末、遠征に出かける。

土曜日に茨城県いばらきけん霞ヶ浦かすみがうらアーチェリー部に向かって自社の商品とティッシュを配って練習に取り組む。もういいのではないかとくらい配り続けている。


霞ヶ浦かすみがうら近くもあってか寒くて手がかじかむこともあって全員自分の思うような点数が取れずにいた。


寒さ対策をもっとしなくては、天候に左右されているようでは勝てないと技術以外にも反省する点があるなと改めて感じた。海風というが湖でも同じようなことがあるのか。


翌日は埼玉県にある草加そうかアーチェリー分の近くにある旅館に向かう途中で茨城にある飲食店に立ち寄る。


蒼唯がメニュー表を見ると茨城名物、鮟鱇あんこう鍋と書かれていて注文をする。なぜだろうか同期で同部屋の里奈ぴょんとずっといると思考まで似てくるのかな。


鮟鱇あんこう鍋を食べてコーチ含めて全員で食べて体も心も温まる。他にも干し芋や水戸納豆付きのライスを食べてバスに乗っていざ埼玉県草加そうか市に向かう。


旅館に寝るために来たような形だが、泊まって翌朝に草加そうかアーチェリー部に着いて恒例行事の様になっている自社の商品とティッシュを配って練習に取り組む。


気温はやりやすいが環境であったが敢えて湿度を上げて練習をしているクラブで思うように矢をコントロール出来ない。どんな環境でも結果を出さなきゃと蒼唯は深呼吸して矢を放つ。


試合形式をしてみると結果は明らか。帰り際に湿度を聞いて蒼唯はスマホのメモに書き込む。帰りのサービスエリアで里奈ぴょんは草加そうかせんべいと川越プリンを買う。


どんな気温や湿度でも結果を残せるようにならないとオリンピック連覇は程遠いなと感じていた。

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