来日
沢山の選手、沢山の観客
日本でオリンピックが開催されるため、数ヶ月前から成田国際空港、羽田国際空港、中部国際空港、関西国際空港と主要国際空港に各国代表選手が合宿でそれぞれの市町村に着いたとテレビで報道される。
蒼唯としては今まではオリンピック内定が出てもあまり実感がないまま来たがそういったテレビで観ると改めて気が引き締まる思いになる。個人戦に出場だけでなく、団体戦でも出場が内定していて個人でも団体でも金メダルを。
オリンピックに出場するということは各国で厳しい戦いを勝ち抜いてきた
テレビに出演依頼はたまにあったがアーチェリーの取材をしたいと三島蒼唯個人宛や横須賀食品アーチェリー部宛に届いたりしていた。すぐさま引き受けると返事をする。
結果を残して海外の強いチームからオファーを受けたいという気持ちよりもいつも応援してくれているアーチェリーファンの人だけでなく、テレビのチャンネルを変えてみたらたまたまアーチェリーをやっていたから見てみよう。
そう言った日本人だけでなく、外国人も沢山いるだろう。ルールとか分からないけど得点が上回っている、このアーチェリーという競技は観てみよう、予選が面白かったら決勝もテレビの前で応援しようと思ってもらえる選手にならないと。
蒼唯の中では世界大会とオリンピックは少し違うと考える。前者の世界大会は主にアーチェリーが興味のある人がテレビで応援したり、現地で応援しようとなる。しかしオリンピックは違う。
全世界の人が観る可能性がある。観客席には抽選を勝ち抜いた人たちが応援をする。そこには日本人だけでなく、色々な国の人が応援をしてくれる。
メイン競技に外れてたたまたま当たったのがアーチェリーという人も少なからずいるだろうけどそういう人にも興味を持ってもらえる絶好の機会。日本人の三島蒼唯のこと、アーチェリーの事を少しでも知ってもらえたらと考える。
個人戦では代表選手を確認が出来るため、ネットで検索をすると
複雑な気持ちでいると電話が鳴り、舞莉矢ちゃんから。
「試合日程決まったら教えてね〜。奈緒ちゃんと遥華ちゃん、
嬉しいが冗談で日本対韓国にだったらどうするのと聞くと舞莉矢、菜緒ちゃん、遥華ちゃんは日本側で応援して
開幕
アーチェリーの団体戦、観客席を見ると蒼唯が想像していた以上に人が訪れていてこの中でプレーが出来ることに喜びを感じていた。初戦になるメキシコ戦を圧倒する。
観客席を見ると舞莉矢ちゃんたちがいない。試合日程を伝えたのに誰もおらず、ちょっと寂しい気持ちでいた。確認のために電話をかけると初戦の日付と決勝の日付を間違えていたとのこと。
曜日を間違えたり、1週間ズレていたということは誰でもあること。応援は教養するものではなくて来てもらえたら嬉しいな、任意なもの。今度来てくれたらと思っていた。
翌日、個人戦の試合自体は行われているものの蒼唯はシードで団体戦の2回戦、今日こそはいるはずだと観客席を確認するが知っている顔は誰もいない。応援に行くってどの試合で来てくれるのかなと思いつつ試合に臨む。
日本は快勝をして会場を出ようとすると舞莉矢ちゃんたちがいた。今日はチケット取れなかったけど近くに来たから顔を見に来てくれたとのこと。
ここだと邪魔になるからと近くの公園に案内をする。
日付間違えないでよと冗談でいいつつ、個人戦の決勝の会場は違うから気をつけてと笑いながら喋っていた。仲のいい友達といると周りを気にすることなく何時間でもいられるなと気づく。
決勝戦は午前中に団体戦、午後に個人戦と別会場で行われる。台湾戦で
念の為に舞莉矢ちゃん、奈緒ちゃん、遥華ちゃんとそれぞれに個人戦は会場が違うから間違えないでねと念押しをしておく。3人で確認すればよほど間違えないだろう。個人戦のチケットも持っていれば中に入れるけどとも考えた。
あれよあれよ個人戦の決勝、対戦相手はイギリスでは無双している相手で互角の対決で見応えがあるとテレビで放映されていてみんな注目しているカード。
ここで勝てば三島蒼唯個人としてだけでなく、日本のアーチェリー普及にも繋がると毎回矢を放つ前に深呼吸してから矢を射る。数センチ、数点という僅差で蒼唯が制して団体戦、個人戦の両方でオリンピックを制した。
それをテレビで観ていたという横須賀食品アーチェリー部のメンバーが会場の外で待っていた。みんなと合流をして歩いていると舞莉矢ちゃん、奈緒ちゃん、
近くの焼肉屋に行くと周りは盛り上がっていて優勝の余韻が抜けずにいて翌日に全員休みだからと飲みすぎと思うくらい水のようにお酒を飲んでいた。
中には酔いつぶれる人もいて、なぜ主役でもある蒼唯が面倒を見なくてはならないのか。優勝祝賀会って当の本人よりも周りが喜ぶものなのかと
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