順調
ひとまず
過去に戻ってきてよかったなと蒼唯は実感していた。周りには優しい人たちばかりで生活をしていて楽しい。時にハッキリ物事を言うため怖いイメージを持たれることがたまにあるが不安で怯えている人には優しく笑顔で話をする。
そうすると勝手なイメージで判断してゴメンねと謝罪をする子が多く、強くて
来る者拒まず去るもの追わずのスタンスでやって来たから腫れ物のように扱っている人がいる、それは信頼出来ない人には心を開かない悪いクセが影響をしているのかなと感じていた。
愚痴を言ったのは大学時代に舞莉矢ちゃんに1度話しただけでそれ以外は自分の中で抱え込んでいた。だからこそ悩みすぎないようにするためにこの人なら大丈夫だなと思った人には心を開いて悩みや相談をしていこうと考えた。
机で行う授業以外にもスバ抜けた運動能力で体育で活躍するだけでなく、音楽の合唱では透き通る声で引っ張り技術の授業では誰よりも早く完成させて大臣賞を取るくらいの代物、家庭科では調理実習や裁縫では同じようにやっているのに他の生徒たちを上回る作品に仕上げていた。
それを羨むものもいればよくないと思う人もいる。蒼唯の筆箱を取ったり給食の量を極端に多くしたり少なくしたりとしているのもいた。だがこれはまだかわいいもので男女混合で行うレクでサッカーをするとなった時に問題が起きた。
ボールを取ると称して蒼唯に向かってスライディングをしてくる。少なくとも誰かしらやってくると危機察知をしてボールを
自分でシュートを放ちながら何でなのかと思っていたら助っ人でサッカークラブにたまに顔を出して修学旅行の重複して朝に試合でシュートを決めてトロフィーを持ったままタクシーで合流したな。それがこのシュートなのか。
蒼唯に対して何しているの派は拍手で称えてどんな手段を使っても蒼唯を潰そうとする派は晒し者になっていた。これでつまらない闘争にピリオドを終わらせたかった。
しかし相手も引かずに何としてでも痛い目に遭わせたいと思っていて足を引っかけようとすると
こっぴどく怒られたのにも関わらず数人で蒼唯を囲み土下座をさせたり、セクハラ紛いのことをさせられたりした上で1人ずつ投げ飛ばして教室に戻って何事もなかったように授業を受ける。この時先生に相談はしなかった。
陸上部の練習を終えた後、家には帰らず交番に行ってセクハラと強要、嫌がらせを被害届として提出した。分からない人には分かるように、恥晒しになったから今度はやり返そうとする。
しばらくして蒼唯の家に電話があって家族に相談して欲しかったと泣かれ、学校では話して欲しかった、加害者は全員転校を余儀なくされた。大人たちからは自己防衛は大事だがやりすぎだと注意されてしまう。
頑張ってきてよかった
あれよあれよと気づいたらまた受験生の夏を迎え、夏休みに行われる漢検まで残り数日となり、いつも以上に勉強をしていた。合格すればアドバンテージになると必死になっていた。
このタイミングで受験をする人がおらず、誰もいない教室に蒼唯1人ポツンとテストを受けている。寂しいし空しいがこればかりは仕方ない。本当に孤独の中で戦っていた。
後日漢検合格が自宅に郵送されてきてひと安心する。陸上部を引退して勉強と弓道をする生活に疲弊している。だけど毎日が楽しいなと感じつつ進路を決める時期が近づく。
過去に戻ってきたおかげで学年順位は常にひと桁順位でどこでも選び放題な状態だった。公立の進学校を推し進める先生だがその選択をするためにここに来た訳では無い。
弓道の強豪校に行くためにここにいる。過去に合格する確率はフィフティーフィフティーと言われていた島田女子高校以外に名古屋総合高校、埼玉成城高校等全国各地から特待生や推薦で話が来ていた。
陸上部でも県大会常連になっていたため、島田女子高校陸上部をはじめ県内外の陸上強豪校からも来て欲しいと誘いが来ていたことには嬉しい驚きだった。
弓道クラブで結果を出せば確実に島田女子高校から声がかかる、そのためにやって来たが菜緒ちゃんが入部することになる名古屋総合高校や遥華ちゃんが入部することになる埼玉成城高校から来ることになるとは思いもしなかった。
蒼唯自身、どこでもやって行ける自信はある。だがそうなると寮にある所に限られる上、特待生とはいえ寮費や制服代など色々とお金かかる。その上で入寮が必須ではない島田女子高校で弓道部に決めた。
入試はオール満点で勉強でも弓道の両方で特待生として迎え入れられることとなる。女子校って華やかなイメージだけどどうなのかなと胸が高鳴っていた。
島田女子高校での生活が楽しみでルンルンな反面、元々通っていた菊川総合高校弓道部は勝ち上がって来られるのかなとそちらの心配もしていた。だが何に対しても申し訳ないと思っていては何のために過去に戻ってきたのか分からない。
何か中学校の入学式に戻ってきてからというものの節々に心配や申し訳ないと言っているような気がする。それは心の中で閉まって新たな人生を歩まなければ意味がない。ここに連れてきてくれた稲垣進助にも申し訳ない。
あ、また言ってしまったと笑っていた。
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