第2章 やり直しとして

気づきにくいから確認

朝目覚めると学生時代に過ごしていた自分の部屋にいて、ハンガーには中学時代に着ていた制服がある。もしかして成功して本当に戻ったのか、


蒼唯は令和を生きているのかそれとも平成にいるのか知る必要がある。それは最初に稲垣進助に出会った時のように夢を見ているのか現実なのか分からないから。


とりあえず部屋を出てリビングに行って家族に今日は和暦何年なのかを尋ねた。自分で確認しろと言わんばかりにカレンダーを指を差して見ていた。平成にいることを自分の目で確認して心の中でガッツポーズをした。


入学式、1度聞いたことを再び聞くと言うのはスゴく眠たくなる。だが未来から来たとはいえその事は口外することもバレてはならないとされている。知っているからこそベラベラ喋らないようにしないと。


誰がどのような性格をしているのかを大体のことを知っている蒼唯、その故この人と関わらないようにしようだとかこの人と一緒にいたら自分のアドバンテージになるな。利用する手はないが、勘のいい人に見透かされる可能性もかるから中々そういう訳にもいかない。


家に帰って来てこれからの方向性を考えていた。

授業、部活も始まっていないからこそ早めに計画を立ててそれをもとに逆算してやらなくてはならない。まず元々行きたいと考えていた島田女子高校に行くにはどうするか。


選択肢2つある。1つはもう少し点数を上げれば合格する確率が高まるために塾に通わせてもらって一般入試で行く手段。そしてもう1つは弓道を初めて実績を残してスポーツ推薦で行くか悩んでいた。


過去に戻れてきたことに関しては本当に嬉しいし、やり直せると思っていなかったけど問題点もある。中間テストや期末テストは過去に1度やっているためにオール満点を取るようなことをしたら間違いなく先生たちに疑われる。カンニングしたか預言者なのかあなたはどっちなのと。


部活は前と同じ陸上部、それと並行して弓道をする。掛川弓道クラブに行きたいと聞かれたら仲のいい友達に誘われたから、カッコイイから蒼唯もやってみたいと言えば問題はないだろう。


間違っても高校で全国大会に出場すふからとか世界大会に出るからと未来から来たことがバレバレなことは発言しないように気をつけなければ。仮に子供がそんなことを言っても信じる親はいないだろう。何を言っているのかと思われるくらいで。


方向性が決まってその日の夜、両親に掛川弓道クラブに通いたいと晩御飯を食べている時に伝えるとやはり理由を聞かれる。別の小学校の子で仲良くなった子がが一緒にやろうって誘ってくれたとそれとなく理由を伝えるとやるからには頑張れと許可が出て習うことになる。


これでダメと言わたらどうしようか、何のために過去に戻ってきたのか分からくなる。あのブラックオブブラックのハラスメントのバイキングと呼ばれる会社に行かなければいいと言われればそうだがとも思っていた。


評価される

病気もケガをせず勉強と陸上、そして弓道をやっていて楽しく忙しい日々を過ごしていた。陸上では再び短距離を選択して極めようと考えていた。


弓道クラブに入ってるスグに結果を出してしまうと全試合に出場させられる懸念がある。個人戦、団体戦となると年間で何試合に出ることになるのだろうか。


ケガをするくらいなら段階を踏んで徐々に試合に出るようになった方がサクセスストーリーとしてもいいのかな。思いのほか考えることが多くて負担が増したような。


それでも自ら臨んでやってきたこの世界、どれとして手を抜くことは出来ないし、当時よりももっと追い込まなきゃいけない気持ちの方が強かった。


陸上部の同級生や先輩からは弓道クラブと兼任しているのに短距離のタイムは速いのに勉強も出来るってスゴい。今度勉強を教えてもらいたいと言っている人もいた。


勉強が出来る人のありがちな授業を受けるだけで内容が分かるとよく話は聞くが蒼唯はそうではない。1度やったことを学校で授業をしているから別の友達が家で復習しているのと変わらない。


当時苦手だった数学の単元を最初から聞けるのは助かる、それでも分からない部分は授業後に聞きに言って噛み砕いて説明をしてもらい理解しようとしていた。周りからは蒼唯ちゃん勉強出来るのに向上心スゴいねと言う子もいた。


そうしているうちにクラスや陸上部、そして弓道クラブで信頼を得て教えて欲しいと来る人が日に日に増えていた。来る者拒まず去るもの追わずのスタンスで困っていたら助ける、間違っていたら指摘する姿勢は変わらない。


当時は短距離で地区大会を勝ち上がるのにやっとだったが今では県大会常連になっていた。

「三島蒼唯、別名掛川のチーター」

愛称が付くのは嬉しいが自分ではもっと速いタイムいる人がいるのに、どうしてなのかと不思議に思う。


まだ掛川で名前が広まっているだけで県内や全国駅にはまだまだだからタイムを縮めて全国区になれるようにしたいと感じた。出来れば弓道の方でも愛称が付いたら嬉しいなと心のどこかで感じていた。


経験してきてまた最初からやるのは大変かなと思っていたが自分が思っている以上に結果が出ていて自分でも驚きを隠せない。だからこそ天狗にならず謙虚でこのまま目標に向かって走り抜けたいと切に願う。

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