第4話 釈迦シッダールタ
有名なエピソードだ。釈迦シッダールタがご飯を食べない等の苦行の果てに村娘からミルク粥をもらい、こんな苦行は無意味だと思ったこと。村娘も実は梵天様か何かだったか。
「シッダールタさん、僕はおにぎり君っていう男の子やからな。おにぎり食べるといいからな」
シッダールタは少し驚いて言った。
「何故私の名前を?」
「この辺りで王子様が修行しているというのは有名やからな」
「そうですか、それなら効果はあるか...。いえ、しかしあなたは男の子ではなく女の子に見えますよ」
「じゃあ、女の子でもいいかな。僕に性別はないからな」
「性別がない? あなたは一体」
「とりあえず、おにぎり食べて元気出すといいからな」
シッダールタはそれに答える。
「私が食べる分を誰か飢えた者にやってください。この世は奪い合いです。誰かが我慢しなければ奪い合いです。王子の身分であった私がお手本を見せるのです。分け合えばもっと飢え死にする者は減る」
「おにぎり君が効率のいい農業教えてあげるからな。おにぎり食べて元気出して農作業頑張ればいい。そうすれば飢えは減るからな。分け合えば人々はイライラするからな。また争いが起こる。飢えは恐ろしい。おにぎり君も今日はおにぎりにこだわるのやめるからな。さあ、さあ、ミルク粥よ、お食べなさい」
おにぎり君は風呂敷からミルク粥を出した、少女のような笑顔を添えて。
ぱくぱくぱく。
「美味しい! 効率のいい農業...。そうだ、王子の私が農学者と協力してそうすれば良かったんだ」
「シッダールタ、あなたは大きな存在になるわ。NOWの歴史の流れとは違うけどね。あなたは王子なのだから、本物のブッダにおなりなさい。梵天、ブラフマンもまたあなたに会いに来るでしょう。このノートをあげる。効率のいい農業が書いてある。単純に、これ、この芋を植えてごらんなさい、それだけでも。『常識外れ』の魔法はいつまでも続かない。常識で戦うの。それと、『ルール』。この世界のルールに気付きなさい。私はこれら私の言ったことを忘れる。ん? 僕はおにぎり君やからな。またな、釈迦シッダールタ様」
またおにぎり君は時空を渡りました。
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