第25話

初別視点です


         _________    


???



 もう、夏祭りの時期なのね。



私は毎年している通りに浴衣を着替えて夏祭りの会場に向かう。



 「あら? 楓花ちゃん、今年も夏祭りに行くの?」

 「あ、おばさん、こんばんは」


 「今年もう夏祭りなのね。年を取るとあっという間なのよね」

 「そうなんですね」

 「ええ、そうなのよ。そういえば、昔、よく一緒にいた女の子はどうしたの?」


 「あ、えっと、最近、あってないですよ」

 「あら? そうなの。残念ね」

 「ええ、ですが、今は楽しそうにやっている事だけはわかってますので」


 「そうなの? それは良かったわね」

 「そうですね」


 「あらら、いい笑顔ね」

 「そうですか?」



私は顔を触ると口角が僅かに上がっており、笑っているのがよく分かる。



 「ええ、最近見た笑顔で一番、いい笑顔だったわよ」


 「ありがとうございます?」


 「ふふ」



その後、私はおばさんにお礼を言って離れて行った。



 ***



ゆっくりと歩いて行くと提灯がポツリポツリと表れ始めた。それに伴い浴衣を着た人やわたあめを持って歩いている人を見えるようになった。



 ここの夏祭りで会ったのを懐かしい



私はあの時をゆっくり思い出す。



 ***



あの時は家族と一緒に祭りに遊びにやって来た。



 「おとうさん、あれ、欲しい」

 「お? わたあめか良いぞ」


 「やったぁ」


 「ふふ、楓花、食べ過ぎないようにね」


 「はーい」



あの時の私は家族だけ私の世界だった。昔は今と比べるとしゃべる事が苦手なタイプだったから


わたしたちはわたあめを人数分、買って


 「そうだ。あそこでゆっくり、食べよう」

 「あら、いいわね」

 「へいき」



わたしたちは近くにあった神社の階段に座って食べた。



 「あまい」

 「確かにあまいね」

 「おかあさんもおいしい?」


 「うん。美味しいわよ。楓花も美味しい?」

 「うん。おいしい」



 ***


わたあめを食べ終わった。


 「そろそろ行こうか」

 「そうね。あら、楓花わたあめ頬っぺについているよ」



おかあさんはそう言って頬っぺたにくっ付いているわたあめを拭き取ってくれた。


 「とれた?」

 「ええ、とれたわよ」


 「ありがとう」

 「あら、お礼言えるなんて、楓花、偉いわよ」

 「えらい?」

 「ああ、偉いぞ。楓花」



そう言っておとうさんはわたしの頭をなでてくれた。



 「えへへ」


 「ふふ、そろそろ行かないと場所がなくなるわよ」

 「ああ、そうだな。楓花、いこうか」

 「うん」



わたしはおかあさんとおとうさんと手をつないで歩きはじめた。



人がかなり密集し始めて周りは人と人が溢れかえっていた。そのせいであったのか、わたしが滑って転んでしまった。


 「いたい」

 「楓花、大丈夫か?」

 「大丈夫?」


 「うん。だいじょうぶ」


 「本当?」

 「うん。いこう。花火みたい」



わたしはそう言って歩き始める。



 「「 楓花 」」



わたしは人にぶつかり、そのまま人の波に巻き込まれって行ってしまった。



 ***


 ここ、どこ?



わたしの周りは人は一切いなく。人影はなく薄い暗闇しか存在せず。その中に神社に続く階段がある位しかなかった。



 おかあさん、おとうさん、どこ?



わたしの目に水がたまり始めながら周りを見渡す。しかし、人どころか動物も一切見なかった。



 おとうさん、おかあさん、怖いよ



わたし余計に目から水が落ちかけた時



 ~~~♪



どこからか音が聞こえて来た。



 何この音?



わたしはその音に引かれて神社の階段を上がって行く。



わたしが階段を上がると黒髪でキレイな青色な眼を持っている女の子でギターを持っていた。



わたしが見てるのを気づいたのかギターをやめてこちらを向いた。



 「ん? わたしのファン?」



わたしを嬉しいそうに笑ってわたしを見ていた。



 「、、、」



わたしが何にも答えないと女の子は笑顔から一変して目に大量の水がたまっていた。



 「もしかして、違うの?」

 「あ、うんうん。違わない」



わたしはついつい否定してしまった。



 「ほんとう?」



女の子は物凄い良い笑顔になった。



 「やった。わたしの初めてのファンだ」

 「えっと、わたしはふうかって言うの」


 「わたしはてんだよ」



これが私と天の初めて出会いだった。天にとっては「初めてのファン」私にとっては「初めての友達」だった。




 ***



あの後、数十分後にお父さんとお母さんが来たんだよね。あの時は物凄く怒られたな。


でも、その後に友達として天を紹介したら凄く嬉しいそうだったな。



そう思考にしていたら、天と初めて会った神社の階段前に着いた。



 ~~~♪



あの時と同じように神社の方からギターの音が聞こえて来た。


私ははっとして慌てて階段を駆け上がる。


そこには、、、あの時の服装に似ている黒のパーカーを着ていてギターを弾いてる天がいた。


こちらを見てるのに気が付いたのかギターを止めて私を見る。



 「ん? 私のファン?」



あの時とまったく同じの言葉を私に掛けてくれた。



 「天」


私は声が震えそうになりながら何とか声を絞り出した。


  ______


やったね。天は幼なじみをゲットしたよ

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