第18話


「さぁ、みんなやるよ」


 「おけ」

 「わかった」

 「ん」


私たちは返事を返し演奏は開始した。



つい最近と異なり、私がミスする事なく最後まで演奏を引くことが出来た。


 「よし、いい感じだよ。この調子でいくわよ」


 「おー」

 「続けていこう」

 「頑張っていこう」


私たちはそんな調子で練習を進めた。




***



練習が終わり、片付けいると雫石が


 「天ちゃん、委員長さんの事は大丈夫?」

 「委員長の名前は笹倉 楓花(ささくら ふうか)だよ」


 「、、、それだけ?」

 「、、、私、委員長さんと話、出来ないよ」

 「、、、天ちゃん、変な所で喋れなくなるよね」


 「どうして、そうなるよ」


 「はははは」



 男の状態で女子の委員長に話かけられないよ


私はそんな事を考えながら、乾いた笑い声をあげていた。


 「そんなしか、分からないなら意味ないでしょ」

 「うう、そう言われても」


 「天なら仕方がない」

 「そうね」

 「そうだな」


 「みんな、酷いよ」


私がそう文句を口から出た。


 「「「ふふ」」」


私の言葉がキッカケに雫石たちは笑った。



 「そうなると何も分からないね」


 「だね」

 「うん」

 「そうかも?」


 「そうとしか言いようがないよ。天ちゃん」


 

 「「「「ふふ」」」」



その言葉に私たちは笑った。


 「そういえば、雫石のユーチューの登録者はどのくらいなの?」

 「えーっとね」


雫石はスマホを取り出してスマホを確認した。


 「、、、15万人だね」


 「 15万人!? 」

 「、、、予想より大分、多いね」

 「びっくり」


 そんなにいるの? 雫石って凄かった?


 「私がバズった時に登録者が伸びて、バンドを公開して曲を流したらバズって又、伸びた」


 「何の曲にした?」

 「『Stock』にしたよ」


 「まぁ、そうだよね」



『Stock』私たち、『Airisu』で初めてみんなでやった曲、一応、初ライブで歌った曲でもある。


 初めて曲のタイトルを聞いた時、びっくりしちゃったなぁ。だって、[見つめる未来]何だから。


 雫石はどこまで未来を見つめているだろう?



 「私たちの初めての曲だもんね」

 「そうね」


 「、、、いつの時のやつを投稿したの?」



 「えーっとね。確か、ライブの前日にリハーサルした時のやつ」


 「、、、聞いてない」

 「私も知らないわよ」

 「また、知らないよ」


 「、、、え? 言ってなかった?」


 「うん」

 「言ってないわよ」

 「知らない」


 「あははは、ごめんなさい」


 「「「雫石」」」


 「本当にごめん」



また、雫石がやらかしが判明した。


 「ここまで、私たちに連絡を忘れるなんて珍しいわね」

 「珍しい」

 「確かに?」


確かにおふざけ無しでここまでやらかすのは何て珍しい。いや、見たことない。


 「いやー、本当にごめんね」

 「疲れているの?」

 「大丈夫?」

 「雫石、平気?」


 「多分、平気」


 「それなら、いいけど」



私が心配した顔で三人の代表して言うと雫石は


 「もう、みんな心配し過ぎだよ」


そう言って笑った。


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