第10話

いし? 石? え? 


 「ぇ?キレイな石を探しているの?」


 「うん」


 「、、、お店で買える?」


 「うん。おみせにあったの」


 「そうなのね」


 だとすると石と言っているけど欲しいのは違う? うーん。理沙ちゃんが言っているのは何のかな?


私がそう思考していると


 「おねちゃんもいっしょにさがしてくれるの?」


 「ぇ? あ、うん」


 「ほんと。うれしい」


 あ、思わず頷いちゃった。どうしよう。こんなに喜んでいるのに否定出来ないよ


 「いこ」


 「あ、う、うん」


理沙ちゃんは私と手を繋いで引っ張った。


 ああ、もう、探すしてないじゃん。もういいや、理沙ちゃんを手伝おう。


 「どこに行くの? 理沙ちゃん」


 「おみせ」


 「お店はこっちだよ」


私は理沙ちゃんの手を繋いでいる手を少し引っ張り、店の方向に歩き始めた。


 ***


私たちは近くの今じゃ珍しい色々なお店がある商店街に着いた。


 「着いたよ。理沙ちゃん」


 「ここ、おみせ?」


 「うん。そうだよ」


私たちは入り口の方から少し寂しい商店街をみていた。


 「中に入ろう。きっとママのプレゼント見つかるよ」


 「うん」


理沙ちゃんは満面な笑みを浮かべた。


 「っ、、、」


 あ、かわいいな。何か雫石みたいな思考になっているなぁ。


私たちはそう会話しながら手を繋いで商店街に入って行った。


 ***



中には人がたくさん溢れいる。商店街では普通だか、お店が色々な方向にある。


 「理沙ちゃん、どこのお店に行く?」


 「えーっとね。あっち」


 「あっちね」


理沙ちゃんは手を繋いでいない手を動かしてある方向に指を指した。



 「え~と? ここ?」


 「うん」


理沙ちゃんに指された方向に行くと明らかに怪しいお店があった。


 何か、ハロウィンをがちをしている店て言う感じがするなぁ。


コウモリの飾り物が上飾っていていた。そして、カボチャが横に飾っていた。


 うん。ハロウィンだよね。季節が違うよね。今、夏だよ。


 「お客さんかい?」

 「あ、はい」

 「そうかい。何を探してだい?」

 「え~と、理沙ちゃん、あった?」


 「ううん。ない」


 「そう。キレイな石でしょ?」



 「うん。キレイないし」


 「、、、キレイな石かい?」

 「そうらしいです。この子がキレイな石が店で売っているらしいです」

 「うーん。キレイな石ねぇ。ちょっと、待ちな」


そういって、店員のお婆さんが店の中に入って行った。


 「行っちゃった」


 「うん」


私たちはしばらく待っているとお婆さんが店の奥から戻ってきた。


 「こんなしかないのぉ」


そう言ってお婆さんは丸い石をおいて来た。


 「ちがう」


 「理沙ちゃん、欲しいのは違うの?」


 「うん」

 「どうやら、違うみたいです」

 「そうかい」

 「ところでどうして、ハロウィンみたいな感じなのですか?」


 「ああ、それはわね。昔、ここに来たお嬢ちゃんがハロウィンな日に来てのう。涙目で歩いていてのぅ。どうしたの? と聞いたでのぅ。


そうしたら、お母さんと別れちゃった、お母さんがくれたお菓子もないよぉと言ったからお菓子を挙げたら笑顔になってのぅ。その笑顔が亡くなった孫みたいでワシも嬉しかったのでのう。その数十分後にその子の母親が来てその子を連れて帰ったじゃが、お嬢ちゃんがまた来年くるねお婆ちゃんと言ってくれたんじゃ。その時、嬉しくのぅ。


来年も楽しみにしていたのじゃが来なくてのぅ。場所がわからなかったのか、まぁ、ここでハロウィン仕様にしているのはまた来てくれると信じて待っているだけじゃ、ただの自己満足じゃ」


 「あ、すいません」

 「いや、大丈夫じゃよ」


 「おねちゃん、いこ」


 「ごめん。行こうか、、、すいませんが、他の場所に向かう事に」

 「いや、大丈夫じゃよ。お嬢ちゃんもすまんな。こんな老いぼれの話を待ってくれてありがとうのぅ」


 「だいじょうぶ」

 

 「行こうか。理沙ちゃん」


 「うん」


そう言って私たちはハロウィンチックのお店を離れた。


 昔のお嬢ちゃんの話、どこかで聞いたような?


 「おねちゃん?」


 「あ、ごめんね」


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