第4話

私はギターを引き初めた。すると、自分が思ったように引ける。いつもじゃ、失敗する部分が上手く進む。まるで昔、みんなが「上手い」と褒めていた時と同じ感覚でどんどん進んで行く。今まで一番、上手いと言う絶対的直感が分かる。


引き終わると雫石が目を見開いて、いかにも驚愕と言う顔をしていた。


 「プロレベルだよ」

 「そうなの?」

 「うん。本当に上手い」

 「ありがとう」

 「今まで一番、上手かった?」

 「うん。なんでだろう?」

 「、、、確かね。リバース体質って才能とかが変化したり、五感が変わったりすると言う説があった気がするからそれで上手くなった、、、いや、もともとそのレベルあって、昔、上手いと言われていた時は女の子の時なんじゃないの?」


 「、、、」


今、言われた事を考えると確かにいつも上手いと言われていた時は女の子だった気がする。


 「女の子だった気がする」

 「やっぱり、そうだよね」

 「うん」

 「ねぇ、もし良かったら、一緒にバントをやってみない?」

 「ぇ?」

 「私はね。バントを組んで世界中に歌を届けたいの。だから、私と一緒に世界に行かない?」

 「、、、どうして、私を?」

 「私ね。色々な人を見てきたの。天ちゃん以上に凄い才能を持つの。だから、私は、逃がさないよ」

 「選択肢は?」

 「断るなら、天ちゃんがリバース体質と言う事をみんなに話ちゃうよ」


 「実質、選択肢ないじゃん」

 「別にバレてもいいなら、断っていいのよ」

 「それが嫌だなの」

 「じゃ、諦めて私とバントを組も」

 「でも、偶然かもよ」

 「そうかもね。なら、練習すればいいのよ」


 「はぁ、これからよろしく」

 「ええ、よろしく」


これが私と雫石との出会いだった、、、


 ***


それから、私は雫石とLINEを交換して私は女の子の姿で家で帰った。外は空は夕焼けになっていった。私はアパートに帰った。雫石が住んでいるマンションとは違い年数が経過しているボロボロのアパートに住んでいる。


私はいつも通りに扉の鍵をポッケから出して、扉の鍵穴に鍵を入れて回した。


ーガチャ


鍵穴から心地音がなった。そして、私は扉を開けた。

中は静かで人は一切、いなかった。


 「まだ、お母さん帰ってないかな」


私はその後、夜のご飯の準備を始めた。


 ***


料理しながら、気が付いたけどいつもより、ご飯を作るのが楽しい。私は鼻歌を歌いながらご飯を作り終わり、掃除や風呂の準備をした時に扉が開く音が聞こえたそちらを見ると


30才ぐらいの姿に見える女性が入ってきた。その人物は目を見開いて私の事を見ていた。


 「おかえり」

 「ただいま、天なの?」

 「うん。そうだよ」

 「久々にあなたの女の子の姿を見たわね。可愛いじゃん」

 「そう?」

 「ええ、本当に可愛いわ。その服どうしたの?」

 「今日、出会った友達に貰った」

 「あなたにそんな友達が出来るなんて」


私は笑って返した。この家で私とお母さんと二人で住んでいる。


 「それより、ご飯出来たけど食べる?」

 「ええ、食べるわよ」

 「分かった。準備する」


私はお母さんのご飯を用意し始めた。机の上食器を用意して行く。


 「あ、美味しそう」

 「ありがとう」


ご飯はお米と味噌汁とおかずの普通のご飯だった。


私とお母さんはご飯を食べ始めた。


 「最近、どう?」

 「普通」

 「学校は女の子で行く?」

 「ううん。リバース体質の事ばれたくないから男の姿で行く」

 「そうなのね。その服をくれた人は女性?」

 「うん。女性の人」

 「綺麗?」

 「綺麗な人だった」

 「しかもセンスがいいのね」

 「センスがいい?」

 「うん。凄くあなた似合ってもん」

 「そう?」

 「うん。さすが私の娘、素材がいいわね」

 「ありがと?」

 「ふふ、可愛いわね。でも、天って私の代わりに家事をしてくれるでしょ。だから、学校生活を楽しんでいる?」

 「楽しいよ」

 「部活とか入らないの?」

 「うん。入らない」

 「そう。まぁ、少しでも楽が出来るように私が頑張るから後悔をしないようにね」


そう会話をしながら、ご飯をた食べ終わった。


 「ごちそうでした」

 「お粗末様でした」


お風呂の準備をしながら考えた。


 雫石が言って事が本当なら私が好きなギター出来るのかな。私もなるのかな。あの人みたいに、、、


 ***


それから、数日は普通の日常を送ていた。そんな、ある日

 

 「あ、いた。天、、、いや、今は冷凍君かな?」

 「久連さんか」

 「何で、敬語?」

 「その方がお互いに良いと思いまして」

 「はぁ、とりあえず来て」

 「分かりました」


こうして、俺は再び久連と合流した。


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