第3話


「、、、」


どうしよう。この雰囲気、、、


 「、、、か」

 「か?」


 「可愛いい」


 「へぇ?」


何故か。抱きつかれた。


倒れると思って踏ん張ろうとしたらいつもよりも上手く力が入らず、倒れてしまった。


そして、何故か。頭を撫でられた。


 「何で? 私に抱きつくの?」

 「だって、可愛いいから」

 「ぇ? 可愛いい?」

 「うん。可愛いい。見た目もそうだし、声も可愛いい。でも、どうして、女の子になっちゃたの?」

 「女の子になってるの? 何でだろう?」


 「ん? その粉って、、、強制リバース体質反応の粉、、、? もしかして、リバース体質なの?」

 「そんな物があるの? まぁ、リバース体質だよ」

 「やっぱり、でも珍しいね」


 ***

リバース体質について


100万人1人にいるかもしれない。生まれてから持っており、性別が反転するのがこの体質の特性。産まれた性別が基本性別になり、性別を反転したら反転性別と言われる。基本性別で基本的に過ごす。幼い頃は上手く力が使えず、よく性別が変わる。成長に連れて操作が出来るようになる。


***

私は久連に抱き寄せられながら


 「そうだよね」

 「うん。でもよかった。私、男性の服なんて持ってないから私の服でいいね?」


 「はい? でも私、女性になったのは久々だから女性の服なんて着れないよ」

 「なら、私が着せてあげる」

 「え? 大丈、、、あ、待って引っ張らないで」


 ***


私は久連に無理やり服をお風呂に入れられた。


 無理矢理すぎるだろう。


私はお風呂で自分の姿を見た。身長は150cmぐらいで黒い髪で後ろ髪は肩を越え胸付近まである。眼は日本人では見たことない水色の色をしていた。そして、顔はかなり整っていて街でいたら、10人10人は振り返り、美少女だと言うぐらいだった。


 これが今の私。確かに久連が可愛いいと言うのも分かるレベルだなぁ。昔はこんなに整っていたかな?


その後、風呂にゆっくり入り、お風呂から出ると脱衣所で待っていた久連に久連の服を着せられた。


正直に言うとリバース体質とは言え女の子になったのは数年ぶりだ。久連が私に対して同性の距離感なのでめちゃくちゃ、ドキドキとした。女性の下着も着せられ、今も違和感が凄い。


でも、自分の体を見ても何とも思わなかった。

 うん。自分の体だからかな?


 「うん。やっぱり、その服似合ってるよ」

 「ありがとう?」

 「その服、私じゃ小さいからあげるよ」

 「ぇ? 悪いよ」

 「大丈夫だよ。ところで私、君の名前を知らないだけど」


 「、、、」

 「、、、」


そういえば、流れに流されまくって名前を言ってなかったね。


 「えっと、男の時の名前が獅倉冷凍で女性の時の名前は獅倉天て言うの」

 「天ちゃんね。知っていそうだけど私も言うね。私は久連雫石。雫石って呼んで天ちゃん」

 「分かった」

 「でも、今日は悪かったね。いつもならチャーリもあんな事をしないのに」

 「大丈夫」

 「ありがとう。そういえば、どうして、棚にあった粉をかかったの?」

 「それは、、、そこにあったギターを見ていたら、足を滑って棚にあった粉を落としてしまった」

 「そうだったのね。ギターが好きなの?」

 「憧れの人のギターだったから」

 「宮地秋山ね。かなりメジャーね。ねぇ、もしかして、ギター引ける?」


 「昔はよく引いていた。昔はうまいと言われたけど今じゃ、普通ぐらいになちゃった」

 「それって、女の子でやっていた?」

 「どうだろう? 忘れちゃった」

 

雫石は私を抱き寄せた。そして、頭を撫でてきた。


 「どうしたの?」

 「悲しそうな顔していたから」

 「初対面なのに?」

 「そうね。でも、今はもう友達よ」

 

 友達か。あったばっかなのに友達って私じゃ考えられないよ。


 「不思議な顔をしているわよ」

 「顔に出てた?」

 「そうよ。もし、良かったらギター引いて見る?」


私は葛藤したような表情を浮かべ、手をさ迷わせた。

それを見かねた雫石がギターを持って私に渡してきた。


 「引こ」

 「う、うん」


あまりにも勢いで頷いてしまった。

私はギターを持ちギターを引こうとする。


***

作者


次、投稿は明日の12時です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る