156
「ジャーック!」
遠くから声がした。
ぽつん、ぽつんと灯る街灯の下を、バランじいが走ってくる。
「はぁはぁ」
「バランじい、大丈夫か?」
「なんだ、鍛冶屋の
「いちゃ悪いのかよ」
「悪いなんて言うとらんじゃろ」
「それで、どうしたの?」
ジャックの質問に、バランじいは木綿で包まれた何かを差し出した。
「ジャック、これを持っていけ、はぁはぁ……床掃除を一心不乱にしていたら思いついたんじゃ。猛獣は特定の光を嫌がるのじゃ。それをガラスに再現できないかと思ってな。安心しろ……外枠はハッティのものだ」
指輪のようなそれは、スイッチを入れると暖炉のような赤い光を放った。
「安心な旅ができるようにな。寝る時に点けて寝ると猛獣がこんよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます