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 暗い廊下を、一陣の風が吹き抜けた。


「うっ!」


 スピカにマイクと呼ばれた兵士が、痺れる手を抑えて膝をついた。


「ジャック!?」


 吹き飛ばされた剣が廊下の奥に滑って行った。


「僕が……行きます!」


 ジャックが、剣を構えていた。


 緑のようなオーロラのような

 竜のうろこが輝く剣。


 金の瞳が、暗い廊下で光った。


「すみません……でも!僕に行かせてもらえませんか?……昔に習ったんです。九年間、旅だけをしています。僕もスピカと一緒に行きます」


 王様はジャックを見つめた。


 そして、スピカを見た。


 スピカはもう決めたんだという瞳で、ジャックの傍に寄り添い、王を見つめていた。


 惑星ほしの瞳。




「……わかった。ただし、準備を万全にしてからだ」


 王はきびすを返し、廊下の奥に消えた。

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