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「あれは間違いなく星屑草ほしくずそうでした。特殊な鉱石に宿り、星のような輝きの恒星反応を持つ幻の草。宿り木となる鉱石を造ることができなかったために、何もしなければ三日、保存処置をしても星屑草は五日で絶えてしまうけれど、培養石ごと採取することができれば、培養が成功するかもしれない。王様、スピカではなく、私が隣国に行きます。このような事態を予測できなかった責任を取らせてほしいんです」


「バカな!ジニアさん、今回のことは自然災害だ。それに君が研究をすすめなければ、誰がこれからの光を作るんだ」


「そうよジニア、あなたはダメ、もちろんお父様も。お父様が今いなくなったらこの国はどうなるの?私が行くわ!」


 スピカは青い瞳を燃やすように、譲らなかった。

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