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 休みの日、ジャックとスピカはショーンさんの後を続いて、黒い黒曜石の螺旋らせん階段を登っていた。

 階段は上に行くにつれ幅が細くなっていき、砂時計のくびれを目指しているのが分かった。


 黒い滑らかな壁は不思議と中から外が透けており、昼下がりの清流の風景が淡い太陽を浴びている。


 階段を登るにはコツがある。


 ジャックは重心を前にして、後ろ指に力を入れて進んだ。


 塔のくびれまで登り切ると、移動床で最上階まで登った。


 瞬きする間に、最上階まで着いた。


 最上階は、シリウスの景色が360度見渡せた。


 街と城。たそがれ雑貨店はあの辺だろうか。

 瑞々しい緑がどこまでも広がっていて、優しい太陽の光を一杯に浴びている。


「本当に……素敵な国だね」


 ジャックは呟いた。

 

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