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「ジャック、来たのね」


「スピカ」


 夜市よるいちの賑わいと、暖かい灯りに包まれた広場で、子どもたちがジャックを見つめた。


「今、パトロール中よ。ジャックもやってみる?」


「そうだね、よかったら」


「もちろんよ、みんなに紹介するわ」


 色んな子どもが居た。にこにことしていたり、興味深そうに見ていたり……。

 そして子どもたちはくるくるとジャックの周りを回り始める。


 駆け足でくるくるくると、代わる代わるに。


「ジャックも回りましょ」


 スピカに手を取られ、メリーゴーランドのように広場を走る。


「スピカ、これはなんの遊び?」


「くるくる遊びよ。友だちの回りをくるくる回って遊ぶの」


「なんだか無心になれるね」


「そうね。こうして走るのってわくわくするわ」

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