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「いいと思います。こんなに灯りが綺麗な祭りは……初めてです」


「そうですか」


 ダンカンさんは嬉しそうに微笑んだ。



「みんなが自分の好きな色をともしてる。そう思います」


 だから……なのかな。


 ジャックはこの祭りの居心地の良さを漠然とそう思った。



「ジャックさんは、ランタンを買えましたか?」


「はい。これです」


 ジャックは小さな象の形のランタンをダンカンさんに見せた。


「ハッティワークスのものでしょうか……いいですね」


「……見たことのない強い生き物が好きみたいです、僕。象ってこの国で初めて見て」


「私も実物は見たことがないんです。でもハッティによって象はこの国で有名です。世界にはいろんな生き物が居て、それを造り手ヒトはそれぞれの形で現すことが出来る」


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