ジャックとスピカと湖の思い出

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 広場を出て湖に向かう。


 光が舞う街灯の連なりを辿って、夜の道を走る。


 だんだんと人がまばらになる。



 けれど、いつもはだんだんと次第に穏やかになって行く灯りが、今日はどこまでも続いているようだった。


 人々の家や、木や、道の端のところに、いくつものランタンが飾られ、光が羽のように舞う。


 湖に続く森の入口もにもきれいな光のアーチ。


 くるくると踊るように光を見上げながら走り、灯りを辿るように湖まで走った。


 だんだんと灯りが少なくなってきて、夜に浮かぶ星空のようになってくる。



 夜の中に身を黒い体を溶かし、ジャックは走った。


 灯りの中に、夜の森の中に、青い瞳友だちの姿を探しながら。



 まだ来ていないかもしれない。


 もう居るかもしれない。


 小さく、フクロウが鳴いた。

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