ジャックとスピカと湖の思い出
111
広場を出て湖に向かう。
光が舞う街灯の連なりを辿って、夜の道を走る。
だんだんと人がまばらになる。
けれど、いつもはだんだんと次第に穏やかになって行く灯りが、今日はどこまでも続いているようだった。
人々の家や、木や、道の端のところに、いくつものランタンが飾られ、光が羽のように舞う。
湖に続く森の入口もにもきれいな光のアーチ。
くるくると踊るように光を見上げながら走り、灯りを辿るように湖まで走った。
だんだんと灯りが少なくなってきて、夜に浮かぶ星空のようになってくる。
夜の中に身を黒い体を溶かし、ジャックは走った。
灯りの中に、夜の森の中に、
まだ来ていないかもしれない。
もう居るかもしれない。
小さく、フクロウが鳴いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます