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 闇の中、青空のような優しい透明な光が湖に反射している。


 美しい夜の森。



 ……青。



 惑星ほしの光。


 友人スピカの瞳のような。



 ランタンを消してみると、雲に覆われた闇がやって来る。


 真っ暗闇。




「……ジャック、いるんでしょう?」


「スピカ」



 風に騒めく木々。


 魚の跳ねる水音と闇。




 ゆっくり歩を進める。


 パキパキと小枝が折れる音が鳴る。


 少しずつなら進める。


 そこに友だちが居るのなら。




 息を、吸い込んだ。




 りんごのほのかに甘い香り。


 湖が風に揺れる、水音。


 太陽の下できらきら輝く湖水を思い出す。




 金色の光が湖に広がっていく。


 夜の湖に。




「ジャック」




 猫の姿。


 光の中に。金色の、光の中に。




「また、魚を捕まえるの?」




 少女の問いかけは闇の中に溶ける。


 暖かく優しい闇の中に。

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