ジャックと世界とパレードの後に

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「スピカ、ここにいたのね」


「ジニア」


 祭りの色彩メイクまぶたに乗せて、ジニアが微笑んだ。

 瞬きのたびに、まつ毛がキラキラと輝いた。

 青銀せいぎんの衣装の上に羽織った白い白衣が揺れている。


 スピカは土管からぴょんと飛び降りた。


「ジニア、祭りの演出、最高だったわ!」


「ありがとう。けどあれはほとんど、バランじいの発明なの。すごいのよ。新しく発明したガラスに光を通すと、屈折するの。そう、まるで、雨のように。一番大きなガラスは、光が彗星のように射出されるの」


「それ知っています」


 ジャックも土管を飛び降りた。


「あら、私はジニアです。各社のランタンの中に入れる石を開発している者よ。君は?」


「僕はジャックです。バラン氏のところで、世話になっています」

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