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「ほい、出来た」


 ゴーグルを外して、あかい瞳でジェイクが誇らしそうに微笑んだ。


 スピカは碧の枠組みの青いガラスのランタンを受取った。

 ジェイクの小さな作業室の白い灯りが反射して、取っ手の星のマークがキラリと光った。


「んーと、なんつうかさぁ、ガラスは一流品なんだけど……枠組みが歪んでて、塗装液が金属を曲げちゃっててさ……まぁ色は綺麗なんだけどさ。んー、まぁいいか。直ったんだしな」


「すごいわジェイク、よっ!次期棟梁!」


 スピカは買った時みたいに美しく謎めいて、わくわくする気持ちを思い出しながらジェイクを褒めました。


「や、やめろよ!次期棟梁は副棟梁がなるんだからさ!ま、次々次々じじじじ棟梁は狙うけどな!コツコツ、精進あるのみだ!」





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