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「スピちゃん、パトロールごくろうさま」


 近所のお母さんが笑顔で手を振る。


 スピカのクラブはパトロールクラブ。


 ランタンの下から小さな子どもたちが出ないように。17時まで、安全に遊べるように、見守るのがクラブの大事な仕事。


 クラブの仕事は毎日だったけど、そのかわり、廻る場所は自由。


 危険を見つけたら、笛を短く吹く。


 それが決まり。


「スピカ!ハッティーワークスに行こうよ!」


 子どもたちが手をひっぱる。


「いいわよ。そうだ、ランタンを直してもらうんだった」


 スピカは小さな子どもたちと連れ立って、ハッティワークスを覗いた。


 ガラス張りの壁の向こうで、どんどん、新しいランタンが生み出されている。


 金属の火花が弾けて、子どもたちはわぁ!と歓声を上げた。

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