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 ピィー……――。


 スピカは笛を吹いた。


 首から下げた銀色の笛。


 太陽が反射して煌めいている。


 もうすぐ太陽が雲に覆われ、夜が来る。


 ピィー……――。

 ピィー……――。


 方々ほうぼうから笛のが響き、スピカの笛と共鳴する。


 ピィー……――。


 呼応するように、吹き返す。


 王宮から鐘の音がが聴こえてくる。


 街に、灯が灯っていく。


 黄色、ブルー、みどり……。


 太陽の光は雲に覆われ、空がだんだんと白、優しいグレーに変わっていく。


 シリウスの夜の訪れ。


 グレーがだんだん濃くなって、ランタンの灯りが増えていく。


 薄曇りの宝石箱。


「スピカー!遊ぼう!遊ぼう!」


 広場で塊になっていた小さな子どもたちがスピカの周りを走り回った。


「いいわよ、夜呼びの笛が終わったらね」


「わぁい」

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