62
「ジニア、郵便、持って来たわよ」
少しずつ、青い煙が晴れていく。
「スピカ、もうそんな時間?」
優しい声が響いた。
煙の中に、長い髪を後ろで束ねた、小人の女性の後ろ姿が見えてくる。
いくつもの試験管を手に持ち、長い白衣に綺麗な液体が跳ねている。
「ジニア、新聞、いつものところにおくわね」
「ありがと」
ジニアはゴーグルを壁にひっかけた。
「いいのよ、ジニアの研究は、シリウスの宝だもの。だけど、昨日も帰ってないの?」
スピカは床に散らばったいろいろな道具を片付けながら言った。
「寝袋が落ちてるわ」
「
「しょうがないわね!こっちも終わったわ」
部屋はすっきりとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます