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「ジニア、郵便、持って来たわよ」


 少しずつ、青い煙が晴れていく。


「スピカ、もうそんな時間?」


 優しい声が響いた。


 煙の中に、長い髪を後ろで束ねた、小人の女性の後ろ姿が見えてくる。


 いくつもの試験管を手に持ち、長い白衣に綺麗な液体が跳ねている。


「ジニア、新聞、いつものところにおくわね」


「ありがと」


 ジニアはゴーグルを壁にひっかけた。


「いいのよ、ジニアの研究は、シリウスの宝だもの。だけど、昨日も帰ってないの?」


 スピカは床に散らばったいろいろな道具を片付けながら言った。


「寝袋が落ちてるわ」


研究所ここはあったかいから家より眠れるのよ。許してスピカ。新聞、読み終わったわ」


「しょうがないわね!こっちも終わったわ」


 部屋はすっきりとしていた。

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