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「ランタンのガラスに加工がしてあってな、そのガラスを通すと、天使の涙の光が、薄いだいだい色になるようになっておる。ほっこりあったかい気がするじゃろ」


「……不思議な石ですね」


 ジャックはランタンに仕舞われた青い石を見つめた。


 ふぅ。


 息を吹きかけると、青の光がオレンジの光を優しく包み、部屋の緑が深くなっていく。


「この国の宝じゃよ。わしは天使の涙を、いろいろな色に変える研究をしているんじゃ。今点けているのは全てだいだい色。他にもいろいろあるんじゃよ」


「いいですね。もともとの青い光もいいし。新聞もちゃんと読めますし」


「そうじゃな。青もいい。じゃが、それぞれに好きな色がある。あるはずなんじゃ。それを選んで暮らす。それがいいような気がしないか」




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