星とランプと役割
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「虫かと……虫かと思ったんじゃあわしは……」
「しっ!」
暗がりの中、小人の婦人が、小人のおじいさんの鼻をつまんだ。
「静かに!コブにはなっているけど、たぶん、疲れて寝てるだけよ」
小人のおじいさんは、ソファーですやすやと眠る黒猫を見つめた。
「あぁ……起きとくれ、黒猫」
「少し休ませてあげなさいよ。多分旅人よ」
小人の婦人は猫に光が当たらないようにして、ペンライトを点けた。
ソファーの下に置いた旅人のリュックを探る。
「ホラ、登録したばかりの住民カードがある。なになに、ジャック、ポルケ出身。へー、サクラが綺麗な地方じゃない。十三歳。子どもね」
小人の婦人は、ゆったりと上下する毛布を少し直してやった。
暖かい温もりが手のひらに伝わった。
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