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「なぁ、マーサよ、こう暗くちゃ黒猫の様子がわからん。灯りを足してもいいかのう……」

「だめよバランちゃん。この部屋には灯りが多すぎるわ。足の踏み場もないんだから。やっとこさ全部消したんだから、猫が元気になるまでは点けちゃダメです」

「これでもバランスを考えて配置しておるのじゃぞ。すべて点けると、部屋の四隅にシリウスの四季が現わされるように配置しておるのじゃ」

「あらま、そうだったの?でも、掃除は大切よ」

「っかー!!!芸術を解さないヤブ医者め!」

「なっ!私は名医です!!!」


「うーん」


「ちょっと静かにして、バランちゃん。猫ちゃんが起きちゃうわ!いつものなら点けていいから」


 バランのため息と、オレンジ色の優しい光が広がっていった。

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