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 出会った人が話してくれた話が胸に浮かぶ。

 スピカの声も。


 ジャックは、ぼんやりと天井を見つめた。


 シリウスの大切なことが、次々と浮かび、歴史が進んでゆく。


 リンゴの植林。

 春待ちリンゴはしゃりしゃりしていた。

 とてもおいしかった。


 歴史の果実――。


 2325番。


 宙に映し出された数字が、ジャックの札の数字に変わった。


 ずらりと並んだひとつのテーブルの上に、同じ数字が小さく浮かんでいて、お姉さんが手を挙げていた。


「2325番です」


 ジャックは札をお姉さんに渡した。


「こんにちは、天使の涙とランタンで宜しいでしょうか」


「天使の涙って、青く光る石のことですか?」


「えぇ。天使が落とした涙のように、美しく光る石。この国の粋を集めた結晶よ」



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