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「違うかもしれませんけどね」


 ダンカンさんは少し笑って、上着のポケットからモノクルを取り出した。


「さて、ジャックさん、ご一緒いただきありがとう。まだゆっくりして行きますか?」


「いいえ、僕も行きます」


 ジャックはぴょこんとベンチを降りた。


 食器を下げ台に返し、帳場で銀貨を支払った。


「ダンカンさん、ありがとうございます!」


 ダンカンさんは手を振り、去って行った。


「光る石、ランタン、ヤウの許可……」


 ジャックは呟いた。


 青い螺旋階段らせんかいだんを降りた。

 泡の音が聴こえてくるような、海色のトンネル。

 色とりどりの掲示が、美しい魚たちのように見えた。


 薄桃の珊瑚さんごのようなランタンの灯りをくぐり抜ける。


 窓から差し込む銀色の光。


「光る石……」







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