たき火と炎と真っ暗闇の国

09

 パチ、


 焚き火が弾けて、眠気が漂う。

 スピカはマシュマロを二つあぶった。


「ねぇジャック」


「なんだい?」


「チーズは少しだけっていうのは……なぜ?」


 ジャックは少し考えてから言った。


「……食べすぎると良くないからさ」


 スピカはため息をついた。


「そうね……食べ過ぎはダメだわ」


「どうだろう、小人や人間はわからないけど」


「だめよ。少しだけにしなきゃ」


「毎日じゃなければ大丈夫さ」


 ジャックは溶けたマシュマロを口に含んだ。


「ふわふわだ」


「うん」


 スピカもマシュマロを含んだ。

 お腹はいっぱいなのに。


「ねぇ、ジャックの目は金色ね。星みたい」


 スピカの瞳も、青く光っている。

 焚き火の炎を映して。


「そんなこと言われたことないや」


「自分のことは案外、わからないものよ」

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