04

「私はスピカ」


 小人の少女は青い瞳で見ていた。


「何か光ったから、来てみたの」


 スピカのブーツがパキ、と小枝を鳴らした。

 風にふわふわとした金色の髪が揺れた。

 リネンのスカートが揺れる。


「ねぇ、あなたの光で……」


 スピカは森の奥を指差した。

 腕にかけていたブリキの箱が鳴った。


「あの辺りを照らしてくれませんか?」


 二人は森の奥に歩いて行った。

 風の中でフクロウが鳴いた。


「あ、あった、あった」

 

 スピカの足元に、青い石が光っている。

 滑らかな、美しい青。


「これが飛び出してしまったの」


 スピカの手のひらに乗った青い石。

 金色の光を集めて、青い光が漏れていた。


「これに息を吹きかけるとね」


 ふぅ


 青白い光が放たれる。

 生まれたばかりの星のように。


 



 



 

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