第12話 支えていたもの

 いつもの学校から帰ってきて勉強をしている最中、俺の元に一件のメッセージ音がピコンと鳴る。


「しまった」通常ならテーブルの上にスマホを置き、機内モードにしているのだが、今日は忘れていた……というより通知など滅多に来ないからそんな事をわざわざ意識してしない。

 勿論、あの頃もこの様なスマホは緊急時のために常用するよう伝えられていたが、メッセージに登録しているのは真奈ともう2人ぐらいだったからな、使う頻度はこんなに頻繁ではなかった。


 メッセージ……とここにくる前は言っていたが、どうやら名前があるらしくLONE?というらしい。確かにアプリのところにも書いてある。そのメッセージに胡桃から通知があった。


『今、通話大丈夫?』意味の分からない文章に面を食らい、眉間を少し揉んで再度文章を見るもどうやら変わらず、胡桃が正常な判断力を有していないという事を知る。


 なぜなら、俺の右が胡桃の部屋で2時間前に別れ際に『勉強頑張ろうねっ』と熱いエールを胡桃が送ってきたからだ。


 横にいるのだから、俺の部屋に来るか胡桃の部屋に呼べば済む話なのにこの様な文章を送ってくるのは、胡桃じゃ無いと思い、こう返信をした。


『お前誰だっ!!胡桃に変なことしてないだろうな!?その写真1枚1万円で買い取るぞッ!!!!頼むっ!!』それにすぐ返信が届く。


『1万円!?私そんな安いのっ?』どうやら胡桃の演技までしてくる変質者の様なので、オプションをつけてもらう提案分を打ってみる。


『俺に『大好き』って文章を送ってくれないか?』そのメッセージが既読になるとぷるぷると変質者から電話が掛かってくるので流石の俺もぷるぷるうるうるとなってしまう。


 だが、俺は変質者の気持ちになって考えてることにした。もしかすれば、文章では無く、胡桃からの『大好き』を生声で聞かせようとしてくれているのかもしれない。


 そう変質者の思考回路で電話に出ると『ばか?』と胡桃の乾いた声が俺の耳を乾燥させる。どうやら、素敵な声と言葉で俺の耳が潤み、癒されることはなかったらしい。


「声真似は似ているが、まだちょっと胡桃の可愛らしくはっきりとした声には足りていないぞっ?もっと本気で喋れっ」少しはこの指南で変質者の変態魂に火をつければと思ったが。


『何を言ってるの?』いつもより低めのトーンで胡桃が話す。

「なんだ、胡桃かっ。そうならさっさと言ってくれよ」


『………えっと、勘違いする要素は、無い気がする』なぜか俺が勝手に変質者を想像で作り上げてしまった様なので俺の疑問を払拭するため話し出す。


「今、俺の部屋の横にいるんだよな?」

『うん』そのリズミカルに帰ってきた言葉に背筋がゾッとして、体験型怖い話という俺と胡桃でこじんまりと経営するビジネスをふと思いつく。


「………ごめん、理解ができない。胡桃が頭いいのは知っているが、一応聞いておく…………カンニングはダメだぞっ?自首しなさい、ほらっ。両手を出して手首くっつけて『ごめんなさい、私がカンニング変質者です』って言ってみな、ほいっ」


『ごめんなさい、私がへんしt………って何言わせようとするのっ!』と『カンニング』を抜かした変質者が可愛らしく怒ってくる。どうやら今の様子からすると両手を本当に差し出しているいるだろうな。だから当然に考えることがある。


「………今、イヤホンで話してるのか?」その事を聞いてみるもなにやら音沙汰が無くなるのでスマホに近づけて『胡桃っ?』と不安になったので聞いてみる。


『ひゃっつ……ふひ』と豚に少しなりかけた声が俺の耳元で流れてくる。


「ダウトだな」


『………いいじゃん、イヤホンで通話してもっ』なぜかツンと怒ってくる。今日は俺が当番なのでカルシウム多めの料理にしよう。勿論、胡桃限定で。煮干しで味付けをしてやろう……ひひっ。


「それを詰めた記憶がないのだが………で、横にいるのになぜ通話してるんだっ?」

『勉強しながら通話って乙だ、とインターネットに書いてあったから、やってみよって』絶対に勉強が進まない提案を俺にしてくるので聞き返した。


「なんのためだ?」

『いいじゃん。一回やってみよっ』今まで1人で黙々と勉強やお芸事を自習していたストレスからかこのような蛮行に出てしまったのだろうと哀れみを少し抱きながら付き合うことにした。


「今、なんの勉強をしてんだ?」

『今日やった世界史の復習かな』

「あぁー待ってろっ。俺も今用意するから」俺は世界史の教科書を勉強机の棚から取り出そうとするも。

『違うよっ?そういうのじゃ無くて、今やっている勉強の話を話すのじゃ無くて。勉強しながら別の事を話すのっ』確かに俺たちが勉強の知識を語り合ってもどうせ知っているし、理解しきっているからな、退屈だろう。と言ってもその退屈さを乗り切って記憶に定着させることが学生の本業だろう。


「で、何を話すんだ?」可愛い子からデートに行こうと誘われてずっと最近会った出来事を喫茶店で永遠に聞かされる体験を小1時間ほどスマホ上で聞きながら合いの手を打ちつつも、俺は次第にのめり込んでいき、和気藹々と2人で話していた。


 やっぱり彼女の話はいつもどこか変わった見方で世の中を見ていてそれにツッコミつつ話すのは自分が想像してたよりも愉快で笑顔が絶えなかった。


「犬に吠えられたからって威嚇するなよっ」笑い混じった声で彼女の言葉を返し、彼女もその様な声で返してくる。


『だって、私が好きな声で耳元を満たしたいんだもん……………えっと……なんでもないっ!!忘れてっ?』


 急に失速した声がぽわんと膨らんだ泡を弾けさし、夢から現実に帰還する。寝起きの俺は先程の言葉をぼんやりと意識し始める。


 自分の自意識過剰なのではないかと思ったが、その矢先に怪しくそれを訂正してくるので確信をし、直球な質問を返す。


「……そのために、通話したのか?」

『……………もうしちゃダメ?』子供っぽい口調で小悪魔な質問をし返してくる。

「…俺の声がお好みなら…………偶にはいいけど」


『じゃあ、じゃあさっ。ふふっ!......かわ』何かを言いたかったのだろうが、長いこと通話していたためスマホのバッテリーが切れてしまった。


 ちょうど、夕飯の支度をしなきゃなと思ったから丁度いいと思い、俺は部屋から出て隣の胡桃の部屋を見るが出てこないので、俺がその言葉を言ってくれるのをイヤホンを抑えて待っていたが通話切れて泣いている頃だろうと思ったのでそっとしてあげた。


 あんぱんを配るのはかなり疲れるからなと思った最低な正義の味方はオーブンがあるキッチンへと向かった。



 嫌な予感……第6感って言うのを俺自身信じている。それに助けられた……ってちょっとオカルトチックだが、まぁあるわけで。先程の夕食前の胡桃の一件があるため、それを信じて、そそくさと自室に戻った。


 平安の世がこの後来ることを願い、頭を切り替える。


 夕食後、自室に帰ってすることと言えば勉強だ、と彼女達は思っているだろうな。


 ノンノン。


 今日は俺が夕食当番だから今になるが、本来なら夕食前にするのだが、止むを得ないのでこの時間に夕食当番の時はしている。ちょっと腹が満たされてやると苦しいけどね。


「はぁっ……209……210……212……うん?211……」時々何回目か分からなくなるも上半身だけ半袖の下着を捲り上げ、筋トレ用のマットに両手3本で腕立てをする。勿論、片足をもう片方に乗せて。


 あの頃は、屋敷に俺専用のジムがあったのだが、ここにはそう言った場所が不親切にも置いていない。ゆくゆくは小さな居間をみんなが筋トレに集中できる様に改造するつもりだ。多分、女子も欲しいだろうから。


 3本指が今のところ一番指を痛めないギリギリのラインだからそうしている。無理をし過ぎたところで体を痛めては本末転倒だからだ。何よりも続けなくては意味がない。


 そんな700に達そうとしていた時に外からノックが鳴るので黙る。正直、今はプライベートな時間だから邪魔をされたくない。それに1000回までは続けたいからな。


 俺は黙々と数を口遊みながら腕をくいっと曲げて、伸ばしてを繰り返す。その音がピシャリと止まったので一瞬目の前の扉に目を奪われるも構わず続ける。


「明智さん宅ですか?」ノックを再度軽くしてあの子が問いかけてくる。

 流石に、無視は不味かったなと思ったため、その状態で返事をする。


「家主は今忙しいので、要件をどうぞぉ〜」腕立てをしながら前を向き声を出したので声が裏返ってしまう。

「お風呂が溜まったので、早く入れっ。どうぞぉ〜」無線で話してる風の返しをなぜかしてくるので『ラジャー、30分後に任務を遂行します』とすぐさま返す有能な少佐に成りきったが、それをよく思わない大佐が部下の訓練メニューを覗きに俺の部屋へと入ってくる。


「ねぇ、早く………何してるの?」自室のドアを開けて不覚にもズカズカと入って来ては腕立ての邪魔をしてくる上官を見るとパールホワイトのシルクガウンを羽織っている。思ったよりも上官は可愛らしい服を着るのだなと思ってしまいふっと笑う。

「それ、前のデパートで買ったのか?」部屋の扉を閉めてくるのでお説教なのかと身構えるが今は無防備なのでやめてもらいたいとこだ。

「そうよ、まだ少し冷えるから……って、私の質問をスルーしないで頂戴」結構似合っていると純粋に褒めようとしたが飲み込む。


「見ての通り、筋トレですよ。あと200回だから待ってくれ」

「何分かかるの?」

「15分もかからないだろ」せっせと腕立てをする。


「……ねぇ、背中に乗ってもいいのかしら?」上官は、俺が有能であると確信したのかそんな無謀なお題を出してくる。

「ガウンだったら結構お尻が直で当たっている感覚が味わえて集中できないからやめてもらえます?......もしかして、それを踏まえた上でやるSMプレイをご所望ですか?上官」なんと部下と上官の関係性はこのプレイをやるための布石だったようだ。


「あなた、バカねっ…………お風呂から上がったら、私の部屋に来てくれるかしら?」右手をグーにしてこちらにマイクを握った様な手で向けてくる。

「いや」そんな定番のノリを否定するのは第六感が危険信号……白旗をブンブンと振ってくるからだ。


「来ないと、みんなにSMプレイが好きって言いふらすわよ」脅してくるのでこれが縦社会である事を実感する。

「なぜその事を知っているのか、上官も問い詰められるぞ?」


「その時は、目から雨をらして、うやむやにするわ」うむ、それではまだ信用を勝ち取れていない俺に軍配が上がることは無さそうだ。

「………へいへい、行きますよ」


「じゃあ、お風呂上がったら私の部屋に来てくれる?」またも右手を向けてくる、どうしても俺に言わせたいらしい。頑固だな。

良い友いいとも……って言える関係性には程遠いな」


「面白いわね、じゃあまた」全く笑顔にならず帰る鬼上官を見送った後、俺は早めに切り上げるため速度を上げる事にした。今後来るであろう背中に座られながらする腕立て伏せを信じ、より体を鍛えるために。




 太陽の光をいっぱいに溜め込んだ花の香りがするシャンプーをしたためか心地よい気分で風呂から上がる。先ほどまで筋トレをしてたからな、男臭も消えたと思う。

 リビングで真奈がふふーんと鼻歌交じりで何か料理をしているのを横目で確認する。甘くて香ばしい匂いのためデザートを作っているのかと理解する。


 俺は芹香の元へ少し緊張しながらシューベルトの『魔王』を鼻歌し、ノックをすると『はい』と返事がするので花の香りにつまれた部屋へと入っていく。


「…………私を魔王とでも言いたいのかしら?」

「まぁ、違う。魔王の正体って何なのだろうなって文化資本を高めるための教養さ」


 白で基調されたその部屋は神々しくて眩しく思ってしまう。俺の部屋に比べて光量が大きく、魔王とは似つかない部屋だった。置いてある物と言っても俺の部屋とはあまり変わらないが、ペンギンの大きめなぬいぐるみがベッドの横に置いてあるぐらいだ。あのペンギンいるか?邪魔じゃないかとすら思ってしまうが、まぁ彼女にも色々とあるのだろうと思い口を噤む。


「教養さのカケラもないほどジロジロと私の部屋を見回してくれてありがとう」

「どういたしまして。てへっ」目を薄くした顔で右手を首に当てて、ニコニコしながら頭を少しぺこぺこする。


「教養さと言うより知性が無くなったようね」

「で、その猿に何をしてもらいたいんだ?」強引に芹香も猿に成りさがらせる、ずるい男。

「………あなたのそれ、いつ治るのかしら?ムカつくわね」といつも通りになったところで視線を左へずらして『で?』と催促をする。


「…………」やっと女の子っぽい顔を見せてくれる。どうやら言いづらい話の様だが、何となく察しはついている。俺はずるい男なため黙り、恥じらいを持った顔を堪能する。その顔を見ていたら何秒経ったのか分からないが彼女は口を開く。


「その………耳かきをしてもらいたいのよ」やっと言葉にしてくれた事に少し親の気持ちになったかの様に嬉しくなる。


「へぇ〜、耳かきねぇ〜?なんで俺なんだ?真奈にでも頼めば良いだろ」

「真奈さんには、今、チョコクッキーを作って貰ってるのよ。だから………これ以上は頼めないわ」前までであれば、耳かきすらも頼んだだろうが、少しずつ彼女にも心の変化が現れた結果、俺にこの話を持ちかけたのだろう。


「だとしても女子に言えば良いだろっ…………って言っても俺が役には適しているって訳ですか?上官」

「頼みの綱の胡桃さんにお願いしようかと思ったのだけど、彼女何やらイヤホンをしてウフフって笑いながらニヤニヤしてたから不気味に思ってやめたわ」


「………」あいつ俺の会話を録音なんてことは流石にしてないだろうな?.......それはともかく、望であれば耳の中を傷つけそうだし、千明に至っては『何でそんな事をしなきゃいけないんだいっ?』と話にならないからな、となると消去法で俺が残るって訳か。


「で、どうなの?」人に耳の穴を見せる、しかも男に。それは凄く恥ずかしいだろうがそれを上回る程に耳かきの虜になっているのだろうな。

「………人のをやったことが無いから、上手くはできないぞっ?」

「良いわよ、それで」

「んで、耳かき道具は?」と問いかけるとすぐさま引き出しに入っているペン立てを持ってくるがそこには10種類の色々な形・長さ・材質の耳かきが整っていた。


「はい、お願いします!!」と言い、ベッドへすぐ横になる。その姿が色っぽくてつい見惚れてしまう。ちょっとだけ胸元が少し弛んでチラリと白く透き通った肌が見えて、綺麗な脚も顕になる。


「ちょっと待てぇ。………その前にだ。自分で耳かきはするのか?」少し躊躇してしまい、話を切り替えるも、枕に右頬を当てながらムスッとした表情で答える。

「そりゃ、3日に1回ほどする。昨日もした」なるほどな。


「それはやりすぎだ。耳を痛める事に成りかねないから、また今度な」俺は初心者なため、間違えて鼓膜近くを触ってしまう恐れもあるからな、弱りきった耳元を傷つける………それだけは避けたいところだ。


「あなた、やるって言ったわよね?」ジト目でこちらを見てくるが、切り返す。

、なんて一言も言ってないぞ?我慢できないのか、お猿さんは」そのお猿さんはピンクの艶やかな唇をトンガらせて『だってぇ…』と口を漏らす。


「………耳垢をとって欲しいから耳かきをしたいわけでは無いんだろ?」

「……あなたがゲスい言葉を私に言わせて、聞きたがっている様だけど、言わないわよ」ぐぐっ、読まれていたか。


一応、対芹香用に調べていたからな。それを少し披露する。


「最近俺も知ったのだが、ASMRってのが合ってだな」

「なに、その……エーエスエムアール?って」キョトンとした顔でこちらを見てくるので、俺はスマホをとってこようと思ったがバッテリー切れな事を思い出す。


「スマホあるか?で、MyTubeを開いて検索してごらん。それとイヤホンも忘れずにな」昨日初めて聞いたのだが、凄く心地良かった。だが、それが原因でバッテリーが少なくなっていた。充電なんて1週間に2回やるかやらないかだからな。


 俺の指示通り検索をしイヤホンを差し込み、『どれ?』と聞いてくるので、スマホを預かり、ASMRの横に『耳かき』と打ち込んで検索を再度かける。で、昨日自分が聞いたのと同じ様に探し出して、音量を下げ、一応広告が流れないか不安で下げてみたが、広告が流れない様なので、音量を真ん中くらいに上げる。


「ひゃっ!、何これっ……うぅっ………ホントに耳かきしてもらってるみたい」それを知るなりすぐさま先ほどと同じくベッドに寝転がるので、その右耳のイヤホンを取るとギロリと睨んでくる。


「あんまり聞きすぎると耳に悪いからな。適当な頻度と時間を心がけろよ」

「分かった。もう良いよ、帰って」俺は手に持っていたイヤホンを渡す。と右手をしっしと振ってくる。

「へいへい」そう呟きながら、帰ろうとすると。


「あなた、私のシャンプー使ったわね?」ギクリと心臓が効果音を奏でるので振り返らず、ドアから出けようとすると。


「ありがと……これで許してあげる」と聞こえたので振り返るも両耳にイヤホンをしてニヤけていたのでそっとして出ようとすると『気持ちいいな…これっ』と聴きたかった声が聞けたのでこちらも今までの教養の無いお猿さんを許すこととした。



 今日で分かったことがある。

 やはり彼女たちは今の生活にどこかしらの不安を抱えている。

 その不安を解消したいがために今までメイドさん達にやって貰っていた事をしてもらいたくなったのだろう。


 俺は、真奈がいるだけでその不安が募っていると同時に安らぎでもあった。

 自分を支えてくれたメイドがこの様な目に遭うのとメイドが自分からいなくなるのはどちらが辛いことなのだろうと考えたが、答えは出るはずがなかった。

 だって、真奈も俺の横からいなくなる可能性があるからだ。


 だけれど、今まであった日常が突如として終わりを告げる前に、俺だけ真奈に今までの感謝を伝えれたのは日頃感謝を伝え損っていた俺のために真奈が来てくれたのかなって思う。


 日頃から大切な人には『ありがとう』と言うことがどれだけ尊いことなのかを2人を通して教えて貰った。それは、言い過ぎか。てへっ。


 本来なら、この歳になるまでに心得ておくべきことなのだと思う。


 だから、俺は感謝を伝える事を忘れない様、肝に銘じた。多分、こんな事を誓っても次第に薄らいでいくのかもしれない。


 でも、真奈がいてくれる間はそれを忘れない様にと心に刻んだ。

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