第27話
「用意した水着に着替えたら同時に見せ合おうね!」
と言うことで、恵奈たちは反対の試着室に入室。そして、選ばれた水着を初めて目にすることとなった。
『なるほど、こう来たかぁ!』
ハンガーを掲げて水着を見る。
それはワンピースタイプの水着で、胸元にフリルがあしらわれたフレアタイプの可愛らしいデザインをしている。特徴的なのは、大きいリボンが胸前に施されているところ。
最も注目すべき点はフィッシュテール部分の素材だ。
太ももまであるレースは白く、それでいて透けて見えるので、下腹部に履くビキニが見える仕様となっている。
『これ、後ろから見ればTバックじゃんエロぉー。琴音ちゃんはこう言う趣味なんだね、昔は自分自身で選んだ水着を使用してたから好みのタイプを知らなかったけど、えっちぃ〜』
なんて思いながら試着した。
フレアに隠されたその奥に出来る谷間。鏡越しに見るフィッシュテールに薄く隠れる先にはビキニがぴちっとフィットする小ぶりなお尻。可愛らしいデザインに程よく隠されたえっちさも併せ持つソレは、量産型や地雷型と呼ばれるタイプの、ちょいエロタイプな水着だった。
『琴音ちゃんはこう言うのが良いんだね・・・!』
もしかしたら、あのゴスロリな【孤高なる衣装】は琴音ちゃんにとても刺さっていたのかもしれない。
*****
「着替え終わった琴音ちゃん?」
おっけー!と隣から聞こえた。
「じゃ行くよ〜」
「「せーのっ」」
シャラっとカーテンを開く。そして、お互いの姿を目にした。
「うわ〜琴音ちゃん可愛い!」
「恵奈ちゃんも可愛いね、似合ってるよ!」
着替える前に琴音ちゃんに選んだ水着はフリルが満載されたタイプだと言ったが、答え合わせはロリータ風バンドゥビキニ。色は白を基調としていて、リボンなどなどの装飾には淡いピンク。たっぷりフリルの可愛らしいデザインで、使用されるレースにはハートの型抜きが施されている。
ボトムス部分にも腰を囲う様にフリルが施されているため、程よい大きさのお尻がちらっと覗く程度のいい具合に隠れているのもポイントが高い。
普段は委員長っぽい琴音ちゃんの雰囲気は霧散し、ただただ可愛い存在にジョブチェンジ。
いつもと違うという相乗効果も含めるが贔屓目無しにバリ可愛い。
さすが私の愛する人だ!
「私の見立ては間違ってなかった。うん。やっぱり琴音ちゃんにフリルが似合う。これが・・・真理か」
「まぁおしゃれは好きだけどさ、琴音はこう言う可愛いに全振りしたタイプのは着ないもん」
「勿体ないなぁ〜」
今度、お金がいっぱい貯まったら色んな種類の水着をプレゼントするのもいいかもしれない。いや、水着に限らず普通の服でも良いかな。
思い浮かんだアイデアは記憶にしまっておく。
「あ、そうだ見て見て琴音ちゃん!」
着替えている最中に考えついた悪戯を実行する。
ばさっとレースをたくし上げてビキニに隠される下腹部を見せびらかしてみた。ついでにお尻も向けて誘う様にフリフリしてみる。
「こら!はしたないよ恵奈ちゃん!」
ペチッ
「わひゃっ!・・・えへへ、ごめんごめんて」
軽くお尻叩かれた。ありゃぁ、こんなエロカワな水着を持ってくるのだから、てっきりエロい視線と共に鷲掴みされると思ってたよ。
でもちょっと気持ちいなって思ったのは内緒です。
「そう言うのは透けて見えるから良いんだよ?(真顔)」
「めっちゃ力説するじゃん」
そう言うフェチをお持ちだったなんて知らなかったよ。アニメのキャラとかにこの服は似合うとかそう言う話はいっぱいしてきたけど、こう言うフェチを持ってます!という性癖暴露大会のようなことはしたことがなかったので、初情報だ。
しかし、しっかりと見てた様子。
少し恥ずかしかったけどやった甲斐があったよ、と、終始にまにまが止まらない恵奈であった。
きゃっきゃするの楽しい!
*****
水着を購入した後は、特にやる事がなくなったので、二人で選びあった水着の紙袋片手にウィンドウショッピングを楽しむことに。
装飾品や小物などの雑貨、可愛いぬいぐるみ。二人で見ればなんだって楽しい。
「ちょっとお腹空いてきたけど、何か食べない恵奈ちゃん?」
店舗が途切れフードコートエリアに差し掛かったところで琴音から提案。そして、そういえばと思い出す。お昼ご飯を食べずに琴音とダンジョン攻略してたことを。
恵奈も食べてない。そう思うと、途端にお腹が空いてくる。
「そうだね〜何食べたい?」
「マ○ク!」
「OK〜」
マ○クは人気なので並んで注文を待つことが多いのだが、お昼の時間を大幅に超過していたため直ぐにレジで注文することとなった。
5分ほど経って、番号で呼ばれてトレーを受け取る。
人通りが少ないので、ソファーのあるテーブル席を確保できたのは幸いだ。背もたれが硬いと痛いという理由なのだが、ステータスを得た今【物理耐性】も取得しているので、全くと言って良いほど痛くない。
だから別にソファーでなくても良いのだが、柔らかい方が好きという理由だ。
「じゃ、いただきまーす!」
「いただきます!」
マ○ク美味!
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