第4話


さて、【狙撃銃ステータス】について、改めて理解を深めたところで、ではどの数値にポイントを振るかが今後は重要なファクターになる。


詳細を確認したことで、どのステータスも重要度は高く、偏らせると一箇所が突出してしまい、満遍なく振るとそれはそれで微妙な性能上昇となってしまう。


悩みどころだ。


「う〜ん・・・そんな事より軽くすることってできないんですか?」


項目にないので出来ない。頑張るしかないのだ。


「はぁ・・・ステ振りは後回しでいいや」


必要になったら行うこととする。


さて、【狙撃銃ステータス】を非表示にすると、恵奈は自分自身のステータスを開いた。


まだスキルを取得していないからである。


先ほどのようにスキル一覧を展開する。


—————————————————————————————

スキル【魔力自然回復速度上昇】

 ・魔力の自然回復速度を上昇させる。回復する速度はレベルに依存する。

—————————————————————————————


弾薬の生成に魔力が欠かせない恵奈にとって、この出費は先行投資な意味合いが強いく、このスキルを取得したことにより、回復が早くなればなるだけ弾薬が作れるようになった。


と言ってもレベルが低い現状では、回復速度など微々たるもの。


他に目ぼしいスキルがない場合は、この【魔力自然回復速度上昇】に全振りするのもいいかもしれないと思ってたりするが、スクロールする毎に良さげなスキルがあったので、それも合わせて取得する。


—————————————————————————————

スキル【弾道予測】

 ・敵味方、自分の弓矢や銃、投石、魔法など飛来する経路を予測して可視化し、レベルアップに伴って精度が上昇する。

—————————————————————————————


私から放つ攻撃の経路も可視化されるのなら、今撃ったらここに飛ぶとわかるので、移動する敵に対しての偏差撃ち命中率が期待できたので取得する。


S●OシリーズのG●Oの弾道予測線を想像するとわかりやすい。


という事で、恵奈は上記2つのスキルを取得するに至った。

スキルポイント:10→6


次はスキルのレベル上げ。これは事前に考えていたので、すぐに決まった。


スキルポイント:6→1

取得済みスキル

【狙撃技術】レベル:1→2

【弾薬生成】レベル:1

【弾道予測】レベル:1

【魔力回復速度上昇】レベル:1→5


とした。


まず、弾薬の生成に必要不可欠な魔力を回復するための【魔力自然回復速度上昇】のレベル上げは急務だった。


そして【狙撃技術】。撃っても当たらなければ意味がないため、これもあげる必要がある。が、1に収めた。他も上げずにいたが、なぜかと言うと。


「狭いダンジョンで必要ないよね」


と言うこと。


「よし、あとは弾薬ね」


恵奈は【弾薬生成】を発動する。


現状のレベルだと通常弾9発が生成限界。あとは先ほど取得した【魔力自然回復速度上昇】の効果に期待するしかない。


「うっ、魔力が減るのってこんな感覚なんだね・・・」


スキルを使用すると、体の中から熱い何かが抜けていく感覚が発生する。


この熱い何か=魔力なのだろう。


恵奈の魔力量は100。通常弾の生成には1発10消費する関係上、保有魔力量が一気に一割無くなる。


その感覚は、風邪の症状で発生した悪寒に近い気がした。


無くなるまで使用したら如何なるのかなんて、考えたくもない。


「これが通常弾か」


生成後に出現したのは、金属で出来た大きい弾薬。12.7mm弾とのことだが、実弾を初めて手にした感想は”意外と重い”だった。


そもそも一般人がリアルの実弾を手にする機会は無いに近い。


弾薬を手にした恵奈は、職業”狙撃手”に就いた時に植え付けられた知識を元に、これから弾薬を装填する。


DSMR-01から取り外した弾倉に、取り敢えず5発生成した弾薬を1発ずつ込め、弾倉を元に戻し、コッキングレバーを引き、奥に戻す。


カチャッと音がして通常弾が装填された。


「セーフティは掛かってるね」


それは装弾する前に確認することだと声を大にして注意したい。


「よし、準備できたしダンジョンに行こうか!」



*****



先ほどカタツムリを討伐した場所を超えた更に奥。


恵奈は新たに発見した、相変わらず気持ちわるいカタツムリに銃口を向け、狙いを定めていた。


が、スコープは覗いていない。


ダンジョン内部はとても狭い。そんな空間で10倍率の超遠くまで見れるスコープははっきり言って邪魔である事に、恵奈は気づいた。


「ん〜ここら辺かな」


スキル【弾道予測】で大まかな射線が表示される。これを利用して、スコープを見ずにカタツムリに命中するように調整していた。


予測位置とカタツムリが交差する。


引き金が引かれた。


バガンッ‼︎‼︎

「んぁあああッ⁉️」


そして、恵奈が発狂した。


一体何があったのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る