第3話


ないと思っていたスキルがあった。


そはそれで良かったが、何処か釈然としない。取得できるスキルの出現度合いは人それぞれなのだろうか。


とても気になる。


だがそれよりも気になるものがある。


「【狙撃銃召喚】・・・試してみよっか」


ずっと気になっていた。


私に適正が合った狙撃銃を一挺だけ召喚できるようだが、果たしてどんな子がやってきてくれるのか。


ある意味ガチャだなと思いつつ、【狙撃銃召喚】を使う。


「おわっ!?」


発動した瞬間、何もない空間からエフェクトなしに一挺の長ものが召喚された。


慌ててキャッチした恵奈だったが、10kg近い重量にゆっくりと床に置くのがやっとだった。


「重すぎでは?」


取り回しは最悪の一言に尽きる。しかし、銃口の感じを見るに、結構大口径だと思うので威力は期待できる。


この狙撃銃は、私に徹底的に芋れと訴えかけているかのようだ。


改めて狙撃銃を見てみよう。


全長は1500mm?、重量は10kg超級あり、先ほど述べたように銃身は長く大口径。動作機構はボルトアクションというレバーをコッキングして一発ずつ発砲するタイプの狙撃銃だ。


一般的にボルトアクションタイプは命中精度が高いことで知られる。


だが、機構の関係上、連射速度に難がある。もし弾を外して敵に気づかれでもしたら次の攻撃の間に逃げられるか、接近される危険性がある。


必ず当てて殺さなければならないという、特殊部隊の任務でも引き受けたかのような重責だが、それは頑張るしかない。


けど、けどである。


「こんな重いのをダンジョンで如何使えと!?」


ステータスを得た後でも重く感じているのに、狭いダンジョンで私の身長くらいの長ものを抱えて攻撃。更に1発ずつしか発砲できないと来た。


マジで如何使えと。


普段の持ち運びは戻しとけば問題ないのが唯一の救い。


「まぁ強力な武器であることは確かなんだけどさ」


限度ってあるじゃん?


「はぁ・・・」


続いて【狙撃銃ステータス】に移る・・・前に。


ちょっと説明入ります。


恵奈はそこまでミリオタではないので知らないが、この狙撃銃は現代的な容姿をしており、既存の狙撃銃に例えると、


 ・レミントンSMR

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3MSR

 ・DSR-1

https://ja.wikipedia.org/wiki/DSR-1


を足して2で割ったような見た目の架空銃。それでいて長銃身、大口径。色は黒。かっこいい(小並)


閑話休題。


職業特性の【狙撃銃ステータス】を開くと、今床に置かれている狙撃銃の3D画像と共に諸々の数値が記載されており、この画面からアタッチメントの着脱などもできるようだ。


詳細はこう。


—————————————————————————————

名前:DSMR-01

種別:ボルトアクション方式対物ライフル


【仕様】

使用弾薬:12.7x99mm弾

装弾数:現状5発

全長:1480mm

重量 12.8kg(スコープ非着装)


【装備アタッチメント】

・10×タクティカルスコープ(標準仕様)

・バイポット(標準仕様)

・マズルブレーキ(標準仕様)

・通常弾倉(標準装備)


【ステータス】

レベル:1

スナイパーポイント:10

銃口初速:825m/秒+

有効射程:1800m+

射撃間隔:10+

命中確率:100+

致命傷率:100+

—————————————————————————————


となっている。


「う〜ん、よくわかんない」


ファンタジー系の作品には触れてきたのでステータスとかは直ぐに理解できたけど、こっちのステータスは少ししかわからない。


まぁ名称や項目から大まかな事は理解できるので、問題はないだろう。


ちょっと詳しい解説。


・レベルを上げる毎にスナイパーポイントが2増加する。


・スナイパーポイントは下記の諸々の数値を強化する際に使用する。アタッチメントの購入ができる。


・銃口初速は、飛距離に応じて減速していく。スナイパーポイントを消費して増速でき、1ポイントの消費で5m/秒増速する。現状の825m/秒は時速換算2970km


・有効射程は、必要とされる殺傷力や命中率を維持可能な最大距離であり、スナイパーポイントを消費して延長できる。1ポイントの消費で10m延長する。現状だと1800m


・射撃間隔は、コッキングから発砲までの動作を数値化した総合値。スナイパーポイントを消費して間隔を短縮できる。1ポイントの消費で数値上+10上昇する。


・命中確率は、現状の命中率を数値化した総合値。スナイパーポイントを消費して確率を上昇できる。1ポイントの消費で数値上+10上昇する。


・致命傷率は、命中箇所によるクリティカル発生率を数値化した総合値で、スナイパーポイントを消費して確率を上昇できる。1ポイントの消費で数値上+10上昇する。


となっている。


「要するにポイントを消費すると性能が上昇するってこと?」


つまりそう言うことだ。

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