第2話


特別報酬とやらで職業固定の影響か、スキル構成などは全て狙撃関係に終始しており、いわゆる極振り状態。


狙撃に特化しているが、それ以外はてんでダメな状態。


近接戦闘なんて一切考慮されてないので、現状では引きこもっての戦闘がメインとなるだろう。所謂、芋砂ということだ。


「え、ダンジョンで使えなくない?凸砂しろってことぉ?」


今のダンジョンを先に進み、広大な草原フィールドなどでは遠距離から攻撃を叩き込めるのでいいかもしれないけれども、洞窟内での取り回しは最悪の一言に尽きる。


「凸砂が問題ないのはゲームだけだよ・・・」


これからのダンジョン攻略はどう進めていこうかと頭を抱えつつ、職業の詳細を確認する。


職業【狙撃手】

 ・狙撃の才ある者のみが就ける限定職。恵奈の場合、一番才のあったものが狙撃手と判断され、それが特別報酬として割り当てられた。

 ・通常、狙撃手は複数の職業の上位職であり、いきなり就くことはできない。


「へー私に狙撃の才能があったんだ」


たぶん、日本人として普通に生きていれば一生、関わりのない職業だと思う。


なんて思いつつ、職業特性を見てみる。


まずはレベル無し。


—————————————————————————————

職業特性【狙撃銃召喚】

 ・職業:狙撃手に就くと取得する職業特性の一つ。

 ・適正に合った狙撃銃を一挺召喚することができる。

 ・召喚 返還に魔力は消費しない。


職業特性【狙撃銃ステータス】

 ・召喚した狙撃銃のステータスを操作できる。

 ・専用のポイントを消費することで付属品の装着ができる。

 ・操作に魔力は消費しない。


職業特性【戦利品回収】

 ・狙撃銃で攻撃した際にのみ効力を発揮する。

 ・倒したモンスターなどからのドロップアイテムを距離に関わらず回収する。

 ・回収に魔力は消費しない。

—————————————————————————————


とのこと。


職業特性の名前から何となく分かってはいたけど、これが私のチートなのではないだろうか。


少ない魔力を一切消費せず、引き金を引けば簡単に人を殺せるような武器が入手、そして銃を改造することができ、倒せばドロップアイテムを自動回収してくれるという親切使用。


「ただし、現状だと・・・」


ダンジョンでは使いにくい。


「ま、まぁいつか役に立つよ、うん」


続いてレベル有り。


—————————————————————————————

職業特性【狙撃技術】レベル:1 

 ・狙撃銃を装備した上での戦闘関連技術の総合値に補正。

 ・レベルアップに伴い補正効果が上昇する。


職業特性【弾丸生成】レベル:1 

 ・魔力を消費し狙撃銃の弾丸を生成することができる。

 ・レベルアップに伴い生産可能な弾丸を増やすことができる。

 ・魔石での代用が可能。

 <生産可能弾丸一覧>

 ・【通常弾】1発:消費魔力10

—————————————————————————————


というものだった。


「戦闘関連技術って具体的にどう上がるんだろう?」


職業が狙撃手になった時点で、恵奈の頭には基本的な銃の操作から狙撃手としての立ち回り、隠れる技術等がインプットされている。


それらが総合値に補正?ちょっとよくわかんないです。


「その分、弾丸生成はわかりやすいね」


レベルが上がれば作れる弾丸が増えると言うシンプルイズベストな説明文。これは恵奈でも理解できる。


しかし。


「通常弾一発で魔力を10も使うのね・・・」


現在の恵奈の魔力は100。つまり、通常弾を10発も生成すれば魔力切れを起こすということ。魔力を使い過ぎるとえらい事になるらしいので、9発が限界だろう。


一応、魔石でも代用可能らしいけど、結局はモンスターを倒さなければいけない関係上、魔力回復系のスキルを取得するべきだろうと片隅に記憶した。


「スキルポイントを使えば取得できるし、たぶんあるでしょ」


試しにタップして開いてみると、現在取得できる全スキル一覧なる項目が表示され、そこからスキルを選び、取得するらしい。


ファンタジー作品などで有名な”取得経験値倍増”などと言ったチートっぽいスキルは無いようだ。


それどころか、一見見知った”剣術”や”弓術”と言った一般的っぽいスキルも無い。これは取得しようとする者の今までの経験が由来しているパターンかもしれない。


魔力回復系のスキルは望み薄かな。


「あっ」


—————————————————————————————

スキル【魔力自然回復速度上昇】

 ・魔力の自然回復速度を上昇させる。回復する速度はレベルに依存する。

—————————————————————————————


「普通にあるじゃん・・・」


今しがた上げた仮説が崩れ落ちた。


「ま、まぁ有ったなら良いか。後で取得しよ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る