2023.03.22(水)

2023.03.22(水)


 3時半帰宅。

 仕事の休憩時間も松本清張『小説帝銀事件』を読んでいた。銀行員たちに毒薬が盛られた経緯が読者の前に示される。戦後すぐの時勢でもあり、731部隊のことにも触れられ、GHQの勢力にも触れられるが、これが単なる集団毒殺事件に終らない予感は芬々としている。

 とにかく文章は読みやすい。わたしがふだん読む本はたいてい読みにくい部類に入るから、それに比べると癖が少なくて、書かれている内容を受け取るのに考察の時間を含む必要がなく、するする読み抜けていくことも可能だ。しかしこれがミステリーの類の読み物として捉えるならば、書かれた内容のいくつかに着目して、どこに後に繋がる伏線があるのか注意深く読み取っていく必要があるのだろう。わたしはミステリーを読む経験値が浅いために怪しい箇所に勘づくことはできても、そこから洞察力を発揮して後の展開を類推することは苦手である。

 この作品も順に物語を追うことしかわたしにはできない。最後に何が待ち構えているのか、せいぜい期待しておこう。


 朝はたいしたものは食べていない。


 今夜は休み。

 もともと見る予定はなかったのだけど、WBC決勝がAmazonのプライムビデオで見られるらしいので、番組をつけることに。つければ見てしまうもので。結局、2回裏、1対1から日本が追加点を得るところから見始める。実は選手の名前もおぼつかない。ダルビッシュと大谷はわかる。顔もわかる。ペッパーミルの人の来歴をわたしは知らない。顔もアヤフヤ。相手方、アメリカの選手となるとまったくわからない。それでも野球はよく見てきていたから、一球一球投手が投げる球に注目しながら試合の進みゆきを見まもる。


 10時、途中で抜けて買い物へ。

 きょうは豪華なものが食べたかったのでアンガス牛のサーロインステーキ200gを購入する。ほかにきゅうり3本入りだとか、パスコのバゲット、あと、100円になっていたダイジェスティブビスケットなども買い求める。


 帰ってきてPCでWBCのつづきを見る。8回ダルビッシュ、9回大谷と継投されて、最後のバッターが打ち取られるまで見る。途中で思った。数年前ならアニメ化もされた漫画『MAJOR』の世界観は偽物のように思えていたけれど、大谷の活躍を見てしまうと、現実が漫画を超えてしまったんだなと。漫画が連載されていた当時は夢物語であり、そういうのはひとつの理想として夢見るのもアリだよねという感覚だったのが、すでに大谷選手はそれに比肩しうる、あるいはそれを超えるような大きな夢を実現しつづけている。

 まったくすごいことだ。


 そういえば昨日仕事中に、人と話になって、ある人が冗談で「俺は○○選手と祖先が一緒で、出身はどこどこでな~」と自分の姓と同じ選手のことを親戚だという嘘をついてきた。他の人が首を振って、「うそやでうそ」というジェスチャーをしたので嘘だとわかったのだけど、わたしは信じかけていた。

 わたしの親戚(実際には父の従弟――私から見れば、叔従父いとこおじに当たる人)が、二十年以上前にプロ野球で、とある球団のエース投手だったから、普通にあり得る話だと思ってしまった。子供の頃は自分の親戚がプロ野球選手だと周りにいわないようにと親にも釘をさされていた。サインをもらってきてくれとか、いろいろ言われることを懸念してのことだった。

 ただし子供の頃のわたしは西武ファンだったので(秋山選手とか石毛選手とか熱心に見てたな。)、その球団のことはあまり関心を持ってなかったのだけれど。でも新聞紙面に名前が出ていたりすると自分のことではないのにちょっと誇らしい気持ちにもなった。

 しかしここ十年くらいリアルな野球の試合はテレビでもほとんど見なかった。たまに甲子園を見ることがあったけれど、プロ野球はまったく見ないために、いまどんな選手がそこに所属しているのかまったくわからない。

 地上波でプロ野球のナイター中継がほとんど流されなくなったのも、わたしのこの関心のなさとリンクしている面はあるかなと思う。

 しかし一転、今回の世間のWBCの盛り上がりは何だろう。わたしもきょうの決勝まではまったく見ようと思ってなかったけれど、仕事場でも、家族の間でも、野球の話題でもちきりになったのを見ると、きょうになってふと見てみようかという気持ちになった。そういう影響はけっこう受ける方だ。

 もともと自分の中に見てみるのもいいかなという気持ちがあったんだろう。それが表に出ただけだと思う。

 でも最終的にきょうの試合を見て、番組を開いてよかったという気持ちになれた。それだけでも自分にとって有益な時間の過ごしかたができたということなんだろうと思っておこう。


 昼は、総菜売り場で買った「チキン南蛮のお弁当」と「イカの黒胡椒揚げ」。一食当たりの標準カロリーを余裕でオーバーしているはずだ。


 昼1時半就寝。6時半起床。

 その後、入浴。


『小説帝銀事件』の第二章を読む。怪しい人物が逮捕されて自白するがどうも真犯人ではなさそうだ。しかし怪しい面が多々ある。かれはもともと虚言癖のある人物で、供述は二転三転する。それに加えて証言者がまた日和見というか、はじめは否定していても次の機会にはどうも本当らしいと証言を覆す。容疑者の自白も証言者の供述も決定打に欠く内容である。しかしそんな状況でありながらも、関係者は早期の事件解決をはかる様子。

 どうなるんだろうか。というかこの帝銀事件が、世の中に多くの考察系の本が出版される事態になっているのは、きっとまだこの作品、とくに第三部に入って明かされる新たな事実の不確実性が働いているのだろうなと予感する。

 Twitterでもある年末にNHKの特集番組を見たことがあるという人から連絡を受けた。知ってる人は知ってるのだなと驚く。知らない私が間抜けなだけかもだけど。


 夜9時、晩ごはんをつくる。


 今夜は昼に買ってきたステーキ肉を焼く。200g1000円の肉。常温にならしてから、塩をして、バターと油半量で焼く。アルミホイルで休ませて仕上げに胡椒をかける。付け合わせは、ジャガイモとしいたけ。あと、パプリカ(赤・黄)とキュウリとスイートコーンを塩コショウ・白ワイン酢とオリーブ油のドレッシングで和えたものをサニーレタスの上に盛り付けたものと合わせて一食にする。

 ソースを自作――も考えたけど、ちょっと面倒になってしまって。ゴルゴンゾーラがまだ少し残っているからこれを使う案もあった。でもそうすると、リビングの中に臭いが充満するし、気が引けてしまった。バターの風味、塩コショウ味でも十分美味しいしとなってそのまま食べることに。

 サーロインは脂身がついてるのがちょっとマイナス要素。

 カットすると勿体ないしで、結局食べるのだけど。


 食後、紅茶を淹れてリラックスする。

 今夜はもうすこし読書をしたい。ゲームをする時間はとれるだろうか。

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