シークエンス6 ユミナ視点

お城から鐘の音が聞こえてくる。


ユミナ「ん、ん~~~」


窓から差し込んでくる日差しが爽やかな目覚めを与えてくれる。

治癒魔法のおかげで体の怪我は大体治ってるけど、さすがに若干しんどい。

まぁ、けだるい感じが残ってるだけで生活には支障なさそうなんだけどね。

お医者様はしばらく休んだほうが言いといってくれたけど、今この国は戦争をしているんだ。

悠長に休んでなんていられない。


ベッドから出て、服を着替える。

ここは国が学生用に与えてくれたいわゆる〝寮〟という場所だ。

本当は相部屋になるはずだったが、お願いしてニーナを泊めてもらっている。


ニーナはすやすやとまだ寝息を立てていた。

私は簡単に朝ごはんを食べ、ニーナに置手紙を残して学校に向かった。



学校に着くと視線の的になる。

まあ、アレだけの事をしたのだから有名になって当然何だけどね。

嬉しいような恥ずかしいような、よく分からない気持ちを胸に職員室に行く。


先生に自分の教室を聞き、その部屋に行く。


部屋に着き、自分の席を確認して座る。

すると近くの女の子が話しかけて来る。


女の子「ユミナさんですよね!

お話は良くお聞きします!

同じ年なのにすごいです!」


ユミナ「ありがとう。

同じ年なのに何でそんなに畏まってるの?」


女の子「え?

ほらやっぱりあんなすごい事をこなした方なので!」


ユミナ「そんな事気にしなくていいわよ。普通でいいわ、普通で。」


その発言のせいか、その後、クラスの女子に授業が始まるまで囲まれた。

まあ、別にキライじゃないけどね、こういうのも。



………………………

………………

………



授業が始まり教官が入ってくる。

最初は戦闘の陣形などの戦術論の授業だ。


教官「…………ふぅ……」


チョークを片手にため息を漏らす。

視線の先を追うと、空席が2つ。


ユミナ「どうかされたんですか?」


教官「……あぁ……」


教官「お前は知らないと思うが、バカが二人いてな」


教官「ろくに魔法も使えないくせに鍛錬を怠り、あまつさえここ(学校)にも来なくなった」


ユミナ「そんな輩を放っておいて良いのですか!?」


教官「良いわけないだろう……」


教官「何度も来させようとしたが、その度に逃げられてな……」


ユミナ「私が行きます!

その生徒の名前と家の場所を教えてください!!」


教官「……ふむ……

お前なら引っ張ってきてくれるかもな。」


教官「まあ、本気で頑固なバカどもだ。失敗しても気にしなくていいからな」


ユミナ「いいえ、これは国のために大切な事です。なんとしてでも来させます!」


教官「そうか、じゃあ頼む。名前は〝ユール〟と〝ユミナ〟の二人だ。場所はすまんが職員室に来てくれ、地図を渡す。」


ユミナ「分かりました」


教室がざわめいているが気にしない。


ルキス「(面倒な事になりそうだな)」


国が危ないというのにその二人は何をしているのか。

怒りを抱きながら教官の後に続いて職員室に向かう。


ユミナ「……ユール?」


そういえばその名前に聞き覚えがある気がする……


教官「これが地図だ。午後には女王陛下のご挨拶もあるので忘れずにな」


ユミナ「あ、はい!分かりました!!」


とにかく私はこの不届き者二人に、すべき事をさせよう。

そう心に誓い、学校をでた。

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