産業保健師 里菜の勉強ノート⑬ 【不眠症】/【休職】/【就業制限】

【不眠症】

(厚生労働省e-ヘルスネットより引用)

不眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は誰でも経験しますが、自然に改善して再び眠れるようになることが大部分です。ただし、いったん慢性不眠症に陥ると適切な治療を受けないと回復しにくいといわれています。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。睡眠薬に対する過度の心配はいりません。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全です。

(厚生労働省e-ヘルスネットより引用:ここまで)

➣関連ワード「睡眠障害」



【休職】

労働基準法において休職制度の定めはなく、単に就業規則の任意的記載事項(記載するか否かは会社の裁量とされる)にすぎないが、就業規則には休職規程があることがほとんど。ただしその内容が実情に合ったものとなっているかどうかは会社によるので注意。

休職には、私傷病(プライベートな病気やケガ)を理由とするもののほかにも、労災事故などの業務上の傷病を理由とするもの、留学や公職就任の場合の自己都合休職などがある。

病気による休職は、従業員からの申請か、会社の休職命令権という形で開始する。従業員が心身の不調で本来の業務に耐えられない場合、通常は解雇となるが、休職させて回復を待つ休職制度には、解雇猶予措置としての意味合いがある。休職中の給与支給については会社規定によるが、通常は無給のことが多い。ただし健康保険に加入している場合は、多くのケースで休職中「傷病手当金」が支給される。傷病手当金の支給額は、給与のおよそ3分の2が目安である。

休職入りした従業員は、就業規則で定められた休職期間中に就業が可能となる健康状態を取り戻し、復職することができなければ、休職期間満了により雇用を終了されることが通常である。

➣これもチェック:Episode①の新島さんのように、業務上の傷病による休業(労災)の場合、労基法19条1項により、法律的にも解雇が制限されている。

➣関連ワード「傷病手当金」



【就業制限】

定期健康診断などの結果を基に、治療の要否など示す医学的な区分とは別に、就業の可否や、就業の制限などを示す区分を『就業区分』という。例えば、通常通り勤務を行ってよい「通常勤務」、労働時間の短縮や時間外労働の制限、深夜業の回数の変更、勤務場所の変更などを行う「就業制限」、療養のために勤務を休む必要のある「就業禁止」などの区分がある。

同様に心身の不調者に対して産業医面談を実施した際、産業医意見として「就業制限」を会社側に勧告する場合がある。ただし最終的に産業医意見を受けて就業制限を実施するかどうかの判断と、実施責任の主体は雇用主(会社側)にある。


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