第2話

 秘書から諸連絡を聞いた後、私はまた自室に戻った。腹は減っているが、一階に行くのが面倒で、固形の栄養剤が入っている戸棚を開けた。開けた瞬間、カタンと軽い音がして、戸棚の扉が外れた。扉は留め具が劣化して曲がっており、修理するには留め具から付け替える必要があった。思わずため息が出た。金属部品を生成する機械は、地下の倉庫にしまってある。一階に向かうことすら億劫であったのに、地下に行かなければならないとなると、憂鬱でたまらなかった。修理は明日にしようかとも思ったが、戸棚にぎっちりと詰まった栄養剤は、蓋をしてやらないとこぼれ落ちてしまいそうだった。こういうことは後回しにするとろくなことがない。私は意を決して、自室を出た。

 自室から出ると、部屋の前で充電をしていた秘書が立ち上がった。

「朝食ですか?」

「戸棚の部品が壊れたから、金属生成機で修理する」

「さようでございますか」

 秘書は私の後をついて、一緒にエレベーターにのった。エレベーターでは地下まで行けないので、一階で降りて階段で倉庫に向かう。一階から地下に向かう階段前には、重厚な金属製の扉があり、暗証番号の入力と指紋認証を行わないと開かない。この厳重なセキュリティにより、秘書などの機械は入ることができない。扉の前で秘書は立ち止まり、私は一人で倉庫に向かった。

 この塔には、元々たくさんの人が住んでいた。そのため、ただの倉庫であっても相当な広さがあった。滅多に倉庫には来ないが、整理されているので、金属生成機のある場所はわかっていた。これは倉庫の一番奥にあり、すぐそばには地下二階に向かう階段があった。

 定期的な掃除を行っているが、地下の倉庫は流石に埃っぽい。金属生成機を使い、戸棚の留め具を生成した後、私はすぐに自室に戻ろうと、倉庫の入り口に向かって歩き始めた。その瞬間、奥の方―地下二階の階段から物音が聞こえた。

 「地下にはちかづくな」

 これが私の父のテッパンのギャグだった。冗談めいて言っていたが、倉庫よりも下の階は、電気も通っておらず、危険であることは何度も注意された。地下二階へと続く階段も、かなり暗く、私も幼少期から恐怖して決して近づかなかった。今でも怖くてたまらないが、物音がした以上、確かめないわけにもいかなかった。

 深呼吸をして、階段を下りる。次第に足元が見えなくなってきた。養鶏場で嗅ぐような、生臭さを感じて、気分が悪くなってきた。一体、これより下には何があるのだろう。物音の正体は何だったんだろう。興味はあったが、これ以上進むのは恐ろしかった。引き返すことにし、あまり足元の見えない中で、速足で階段を上った。

 足に何かが当たった。硬いものだ。足に当たったものが何なのか気になったが、この異臭の中では触りたくもなかった。だが、それが物音の正体かもしれない。少しの葛藤の後、足に当たった何かに触れてみることにした。触ってみると、それは硬くて薄く、手で掴めるような大きさのものだった。手に取って拾い上げてみると、それは父が使っていた端末だった。



 父が亡くなってから、少なくとも三年は経っている。脳の管理の仕事があったので、父の遺品整理はまともにできていない。少しずつ片付けてはいたが、行方が分からなくってしまったものも多い。父の端末もまた、行方が分からなくなっていたものの一つだった。

 父の端末を服の中に隠し、地上に向かった。秘書に見つかってはいけない気がしたのだ。

 そのまま何事もなかったように自室に戻って、服の中から端末を取り出した。父はよくこの端末を使っていた。この端末を使って、誰かと話をしている声は何度も聞いていた。父がこの端末を使って、なにか作業を行っている所を何度も見ていた。手のひらと同じくらいの大きさ、板状のこの端末に、私の知らない父がつまっている気がした。

 勇気を出して電源を入れてみると、画面に電池の絵が表示された。おそらく電池切れだろう。三年以上放置されていたのだから、当たり前だ。むしろ壊れてないだけよかったものだ。

 端末を充電している間、私は仕事をキリがいいところまで終わらせて、父の遺品を改めて見てみることにした。父の死後、脳の管理の仕事を私一人で行わなければならなくなり、忙しい日々が続いていた。父の遺品整理は、引き出しなどに入っていたものをすべて一つの箱に詰めただけで終わってしまった。まともに何があるかも把握していなかったので、この機会に見てみようと思った。

 箱を開けると、父の着ていた服が入っていた。私はいつも黒い服しか着ないが、父は結構お洒落な男で、たくさんの服が入っていた。その中でも、父が仕事をするときに着ていた白い上着は特に見慣れたものだった。父は私よりずいぶん背が高いと思っていたが、服を見ると今の私と同じくらいの背丈だったのだろう。なんとなく上着を羽織ってみると、少し袖が余るくらいの大きさだった。少し父の匂いを感じ、どこか懐かしい気持ちになり、上着を着たまま遺品あさりをつづけた。遺品のほとんどは父の趣味のものである。父は宝石をあしらった装飾品を眺めるのが好きだった。特にお気に入りで毎日眺めていたものは、今も壁に飾ってあるが、引き出しにしまってあったものはこの箱の中に詰めた覚えがある。

 遺品を整理していくと、箱の底の方に見たことのない一冊の本が出てきた。取り出して中をぱらぱらと見てみると、どうやら父の日記のようだ。熟読するのはなんとなく申し訳なくて、すぐに本を閉じてしまったが、私の知らない父の一面に触れられた気がして、少し高揚している。今まさに充電中の父の端末にも、私の知らない父の姿があるのだろう。私は一旦父の日記を机の上に置いて、散らかった父の遺品を箱に綺麗に収めた。箱をもとの場所に戻して、少しの緊張と期待を胸にしたまま、私はベッドに寝転んで充電の完了を待った。



 しばらく昼寝をしているうちに端末の充電が完了したらしい。電源を入れてみると、画面に今日の日付と時間が表示された。一人で生活するようになってから、日付や時間など気にしたことがなかったので、今日が何日かきちんと把握していなかった。日付を見て初めて、自分が十七歳になっていることを知った。

 画面に触れてみると、暗証番号の入力をもとめられた。画面に数字が表示されていたので、適当に数字を入力してみると、数字を四つ入れた時点で「暗証番号が違います」と表示された。適当に数字を入力して、暗証番号を当てるのは効率が悪すぎる。父に関係のある数字を入力してみた。父の誕生日、母の誕生日を入力しても開かない。期待せずに私の誕生日を入力してみると、カシャンと軽い音が聞こえて画面が切り替わった。どうやら暗証番号の入力に成功したらしい。父が私の誕生日を暗証番号にしていることは、意外なことだった。父から誕生日を祝われた記憶があまりないため、父は私の誕生日を忘れているとすら思っていた。目元が熱くなり、涙がせりあがってくるのを感じた。顔を拭い、端末の画面に視線を戻した。

 画面には色とりどりのマークが表示されている。赤いマークを触ってみると、中に仕事に関係するメモが保存されていた。黄色いマークには母が書いた絵が保存されていた。青いマークを触ってみると、誰かとの会話が残っていた。父はこの青いマークを使って、誰かとやりとりしていたらしい。名前が表示されていて、そこを触ると会話が表示された。ほぼすべての会話は三年前から動いていない。二人だけ、父の死後にメッセージを送ってきている人がいた。シェルドという人と、アミという人からだ。最初にシェルドとの会話を見てみた。最後にきているメッセ―ジは一年前、この人はどうやら父と親しい人であったようで、定期的に父の様子を心配するメッセージが届いている。文章の雰囲気からして男性であろう。こんなに父を心配している人が、父の最期を知らないのは気の毒だった。慣れない手つきで、父が三年前に死んだことを告げる文章を作って送信した。アミとの会話は二年半前のものが最後だった。それは、リリカという人の訃報だった。メッセージを読むと、アミはリリカの娘らしい。リリカが亡くなったため、これからは娘のアミが代わりにメッセージを送ることにするといったような内容であった。アミがリリカのことを母と呼んでいるので、リリカは女性のようだ。アミのメッセージを見る限り、どうやら父はリリカと頻繁にやりとりしていたようだ。娘のアミに父の訃報を伝える必要はないと思ったが、放っておく気にもなれなかった。シェルドと同じような文章を、アミにも送信した。

 リリカと父の会話を、見てはいけない気はしていた。アミのメッセージからして、父がリリカと親密な中であることは明白であった。息子の私が、そんなところ見てはいけないと思い、一度は画面を閉じた。しかし、好奇心には適わなかった。

 父とリリカ、二人の会話を遡って見てみると、案の定そこには私の知らない父の姿があった。

 随分と楽しそうに話をしている。その日の出来事や、その日の食事など、この上なく他愛ない話をしているが、この他愛ない会話が世界で一番面白い話のように楽しそうに話している。父もリリカも二人で日常を共有できることに最高の喜びを感じているようだった。たまに「会いたい」と言っては、会ったら二人でどんなことをしたいか話し合っている。疎い私でも分かる、二人は愛し合っていた。本当に見てはいけないものを見てしまった気がする。母は十年前に死んだ。私の前では気丈に振舞っていた父だが、父もそれなりにさみしかったのだろう。あるいは、母が生きている時から父とリリカは連絡を取り合っていたか……。

 父はそこまで母に愛を伝えていなかった。いや、息子の私の前では言わなかっただけかもしれないが、こんな風に女性に愛を伝える父を見るのは初めてで、本当に知らない父の一面だった。父がリリカとやりとりし始めたのが母の死後か、そうでないかはわからないが、父は母よりもリリカを愛していたのかもしれないと思うと、胸がつぶれそうになった。

 これ以上、父とリリカの会話を見ることはできなかった。罪悪感と、恥ずかしさに耐えきれそうになかった。リリカとのメッセージ記録を閉じると、シェルドから返信がきていた。

「メッセージありがとう。連絡がつかないから、きっとアルフはもう死んでしまったのだろうと思っていたよ。ところで、君の名前とアルフとの関係を聞いてもいいかい?」

 父の訃報を伝えることに集中しすぎていたため、自分の名前を伝えることを忘れていた。無礼が恥ずかしくて、顔が熱くなるのを感じた。

「申し遅れました。私はアルフの息子、ケイド・ルーヴェです」

 メッセージとはいえ、人と話すのは久しぶりなので変に緊張してしまう。深呼吸をして心を落ち着かせているうちにシェルドから返信がきた。

「ありがとう。私はシェルド、君のお父さんの友人だ」

「いきなりで悪いが、少し君と話がしたい。通話はできそうか?」

 本当に唐突だった。今日初めてメッセージのやりとりをした人と、通話するのはかなり抵抗があった。いくら父の友人とはいえ、いきなり話がしたいというのも怪しすぎる。なんとなくシェルドから圧を感じて、通話を断るのも言いづらかった。散々悩んで「できますが、やり方がわかりません。やり方を教えてくれませんか。」

と送った。私としては、なんとか今日は通話のやり方を教えるだけで、通話はまた後日するように話をもっていきたかった。

「端末の下の方に小さな引き出しがあるだろう。そこを爪で開けて、中に入っている二本の棒を耳に入れてくれ。そこまでできたら連絡してくれ。こちらからかけるから。」

 どうやら今日話すことからは逃れられないらしい。言われたとおりに準備を進め、連絡を入れると、すぐに呼び出し音が鳴った。心の準備は全くできていなかったが、出るしかなかった。

 端末の画面に誰かの顔が表示された。短めの銀髪、長くてきらきらと光を反射している白い睫毛の下に、吸い込まれそうな美しい碧い瞳を携えた、あきらかに好青年というような、爽やかさがある顔をしている男だった。これがシェルドという人なのか。

「お、ちゃんとつなげられたようだね」

「いきなり通話したいなんて言ってごめんね。機械がアルフの息子を騙っている可能性もあったから、ちゃんと面と向かって話したかった」

「あ……そういうことだったんですね」

「ケイドがちゃんと人間でよかったよ。……たしかにアルフに似ている」

 父に似ていると言われることがなかったので、どこか他人ごとのように聞こえた。

「そんなに父と似ていますか……?あまり自分ではわからなくて……」

「似ているよ。君のちょっと癖のついた金髪は、アルフから移植したんじゃないかって思うくらい同じだ。それと、声も似ているね。今は君の方が若い声だけど、あと十年もしたら同じ声になりそうだ」

 シェルドはペラペラと楽しそうに話す。私も次第に緊張がゆるみ、笑顔をみせることもできていたかもしれない。最初はどうなるかと思ったが、人との話し方を忘れかけていた自分でも、人と会話ができているような気がした。

「でも瞳は母親ゆずりかい?アルフは青い瞳をしていたけど、君は緑色だね」

「瞳の色は母と同じです。父にもよく言われました」

 父は時々、私の目を見て「お前の目を見ていると、母さんに見られている気がして、お前の前では下手なことができんよ」と言っていた。きっと瞳の色だけでなく形も似ているのだろう。

「アルフは死んだと聞いてショックだったが、息子のケイドが想像以上にアルフに似ていたから、またアルフと話ができているようでうれしいよ」

「それはよかったです。私も久しぶりに誰かと話ができてうれしいです」

 画面の向こうでシェルドは顔をしかめた。

「敬語なんてよしてくれ。俺はかたいのが苦手なんだ」

 今日会ったばかりの人に、敬語を使うなと言うのも無理があるだろう。

「じゃあ……徐々に変えていきますね」

 シェルドはほほ笑んだ。

「そうしてくれ」

「ちょっと気になったんだが、今ケイドのいる塔に、ケイド以外の人はいないのか?」

「私以外に人はいません。私と、水槽の脳と、機械しかこの塔にはいません」

「そうか……。アルフは別の塔に引っ越そうと計画していたが、それは失敗したんだな」

 初めて聞いた話だった。

「え……父はそんなことを考えていたのですか?」

「え?話されていなかったのか」

「はい……そんな話聞いたことない」

 シェルドは少し考えてから、言いにくそうに口を開いた。

「アルフは、別の塔に住む女に惚れていたんだ。その女もアルフに惚れていたから、女とその家族が住む塔に引っ越そうとしていたんだ。向こうにはケイドと同じような年ごろの子がいるから、自分が死んでもケイドが一人になることはないだろうと言っていたよ」

 自分の中で謎が解けた気がした。つまり、その父が惚れた女がリリカだったということか。

「父が惚れた女というのは、リリカという人ですか」

「おお、そうだ。それは知っていたか」

「いえ……さっき会話を見てしまって……」

 顔をそらしながら分が悪そうに言うと、シェルドは大きく目を見開いて、大声で笑った。

「父親が女とイチャイチャしているのを見るのは辛かっただろう。よく耐えたな。息子に恥ずかしいもの見られたアルフにも同情するよ」

 よほど面白かったのか、シェルドはしばらく腹を抱えて笑っていた。

「俺はてっきり、アルフはリリカの塔に行く途中で死んだと思っていたよ。ケイドがこの計画を知らないってことは、そういう最期ではなかったんだね」

 笑顔が徐々に消えていった。

「はい。父は秘書ロボットと食糧庫に入って、帰ってきたときには既に死んでいました」

 笑顔だったシェルドが、急に真顔になった。氷のように冷たい瞳だった。

「死因は?」

「わかりません。首に注射痕のようなものがあったので、毒殺だったのではないかと思っています」

「誰が殺した?」

「秘書ロボットだと思います。父が塔から逃げ出そうとしたので、それを止めたと言っていました」

「君はその時どこにいた?」

「食糧庫の前にいました。父に待っていてほしいと言われたので」

「そうか……」

 テンポよく質問を投げかけてきたシェルドが、黙り込んでしまった。顎をさすりながら、なにやら考え込んでいるシェル度が、画面に映っている。

「話してくれてありがとう。アルフは外の世界に出ることを望んだために、殺されたんだな……」

 考え込んでいた割には、父の死をあっさり受け止めていたようだった。私はそれがどうも納得がいかなかった。

「シェルドさんは、こんな理由で父が殺されたことに、何も思わないんですか。私は、殺すまでしなくてもよかったのではないかと思ってしまいます」

 シェルドは少し驚いて、悲しそうな表情をした。私は一瞬、初めてあった人にここまで言うべきではなかったと後悔した。シェルドは憐れむような、物悲しい笑顔を浮かべた、

「たしかに、そう思う。他の理由もあって、秘書はアルフを殺したのかもしれない。でも、外の世界に出たいというのは……危険な思想なんだ。思想を撲滅するために、過激な対応をすることもあるだろう」

「どうして、外の世界に出たいと思うことが危険な思想なのですか」

 しつこいと思われるかもしれないが、シェルドに問うことをやめたくなかった。ここで理由を聞かなければいけない。衝動的にその思いが突き上げてきた。だが、私の期待とは裏腹に、シェルドは残念そうに首をふった。

「さあな。この考えを危険視するやつらの気持ちは、俺にも分からない。人間っていうのは、よく知らないもの、自分とは違うものを危険なものと思うこともあるんだよ。アルフはそんな思想に殺された」

 もう何を言っても仕方ないのは分かっていたが、どうしても受け入れたくなくて、しばらく黙っていると、シェルドは小さくため息をついた。

「納得いってなさそうだな。俺も気持ちは分かるよ。外の世界に出たいという思いを、撲滅しようとするやつらの方がよっぽど危険だよな。でもな、そいつらは数が多いし、世界を動かしているのはそいつらなんだ。塔の中で、たくさんの人間が平和に暮らすには、我慢しなければいけないことも多いんだ。塔の中で戦争なんかおきちまったら、大変だからな」

 自分は一人で生きているから関係ないと思ったが、これ以上シェルドを困らせたくなかったので、その気持ちを呑み込んだ。


「さて、随分と話し込んでしまったな。俺はこの後用事があるから、今日はここまでにしようか」

「そうですね」

 シェルドは私の顔をじっと見つめ、ふっと微笑んだ。

「まだ君に話したいことや聞きたいことがある。また通話しようよ」

 会話に飢えている私には、嬉しい誘いだった。

「はい。私も聞きたいことがたくさんあるので、またお願いします」

「よし、また連絡するから、お互いの都合が合う時にしよう。それじゃあね」

 シェルドは笑顔で手を振っていた。こちらもふり返すと画面が真っ暗になった。

ほとんど話したことがない人と顔を合わせることに、不安と恐怖しかなかったが、シェルドが話しやすい人であったため、楽しく話をすることができた。

 私は、両親のことをほとんど知らない。どちらも早くに死んでしまったので、本人から話を聞くことももうできない。もっと両親と話しておけばよかったと、どうしようもない後悔に襲われて、涙を流すことも少なくはない。そんな私にとって、父の友人であるシェルドは、父を知る唯一の手掛かりだった。今後シェルドと話をつづければ、自分の知らなかった父の姿を知ることができるだろう。それが嬉しくて仕方なかった。

 人と話すのは久しぶりだったので、少し疲れてしまった。ベッドに寝転ぶと、すぐに寝てしまった。



秘書が部屋の扉をノックした音で目が覚めた。

「ケイド様、見回りのお時間です」

「ああ、今行く」

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