第十三話 対談
俺は
何故向かっているか、それは第十二話を参考にしてほしいが簡単に説明しよう。
突如学校にテロリスト襲来!!
俺は
気づいたら保健室で寝ていて、俺が
でもそんな記憶全く無い俺はその様子を
それでも俺達は事件の関係者ってことで校長室にいる
この後俺達はどうなっちゃうのー!!てことでデュエルスタンバイ!!!
みたいな感じである。これで訳が分からない人はいると思う。
大丈夫、自分も理解していない。起きたらこうなってたみたいな感じだからな。
刑事さんとあってもちゃんと喋れる自身がない。
ただでさえこんな事初めてなのだ。心臓がバクバクしている。
「「………………」」
そしてこの空間には別のドキドキをしている。この謎の沈黙。はっきり言おう。
滅茶苦茶気不味い。さっきまでは広斗がいたお陰で中和されていた間が冷え切っている。何を話せばいいやら。あんな事があった以上、何かと会話が難しい。
まずは話題探し。どんな話題がある……。…………………………だめだ!!
さっきの事件の事しか考えられない!!頭が上手く機能していない!!
「「あ、あのさ!!」」
「「え?」」
前と同様の当たって砕けろの精神で話しかけたが、まさかのハモリ。
驚きの一声もハモる始末。うん、まただよ。また微妙な空気が流れてるよ!!
こういう時に空気操作じゃないの!?
「えっと……野見中からどうぞ」
「………………ごめんなさい」
「…………?」
突然の謝罪に困惑する。謝罪されるような事をされた覚えがない。
「ほら……あの時さ。私動けなかった……」
「ああー、あの時か。別に謝る必要ないぞ。あの状況は
俺が
動けないのも致し方ないと俺は思っている。
「でも……」
「良いじゃねえか。俺達三人が生き残って、また明日から一緒に学校に通える。結果オーライだ」
「うん……!そうだね!」
野見中は先程まで暗かった顔からニコッといつもの笑顔に戻る。
それを見て、思わず俺もニヤけてしまう。
「どうしたの?」
「いや、
「へ?」
「忘れてください。ごめんなさい」
恥ずかしーーーーー!!!!はい黒歴史確定!!なんださっきの台詞!!
俺があんな言葉、普通言うか?否!言う訳ない!!口説き落とそうとしてるじゃん。俺のキャラと合わないでしょ!!俺の顔面が赤くなっていることが分かる。
野見中の顔すら見れない。
俺達は校長室に向うために階段をのぼる。
辺りには瓦礫や能力を使った痕跡などが見えた。
至る所から襲撃されたことが分かる。
そんな様子を確認しながら、俺達の視界に校長室の扉が見えてきていた。
「はぁ……」
「緊張してるのか?」
「事情聴取なんて初めてだもん」
「本当の事を話さば良い。どうせあっち側もある程度のことは知っているさ。ただの事実確認だろ」
「なんか詳しいね」
「
「…………」
野見中がソソっと少し離れたことが分かる。
事情聴取を受けたという言葉に反応したのだろう。
「別に悪い事したわけじゃないからな」
「テヘッ」
「許す」
そんな茶番をしていると、もう校長室の前に着いてしまった。
二度目とはいえ緊張はする。俺は深呼吸をする。意を決して扉をノックする。
中から女性の声で「どうぞ」という声が聞こえる。
「入るぞ」
「うん」
俺は「失礼します」と言い、扉を開ける。
続いて野見中も「失礼します」と言い校長室に入る。
校長室には応接するための机や椅子があり、壁には歴代の校長先生の顔写真が飾られている。棚には部活のトロフィー・賞状が置かれていた。
もちろん奥にはデスクがあり、そこには
横の壁に寄り掛かる
椅子にはThe・刑事といった服装の男が座っている。
「来たか」
「えっと……」
「そうか君が……」
「?」
「さあ座ってくれ」
思いの外椅子がふかふかな事にビックリして、背筋がピンと経つ。
「やあやあ!よく来てくれたね!疲れてる所本当悪いね!!」
「「…………」」
俺の中にあった刑事の印象が崩れ落ちた。
まさかこんな元気いっぱいだと思っていなかった。
ハードボイルドなかっこいい大人だと思っていたが、元気なお兄さん風の刑事だった。
相手に舐められるんじゃないかと心配になる。
「はじめまして!私はこういう物だ」
刑事さんは胸ポケットから警察手帳を出す。
そこには警官姿の刑事さんとそこには『
下には能力刑事事件捜査専門課と書かれている。
テレビでも聞いたことのある名前だ。
確か能力者を専門に対応する警察学校を優秀な成績で修め、実績に実績を重ねたエリートの中のエリートが入れる部署。
その部署には能力者はもちろん無能力者もいるんだとか。
チャラい感じの人だが相当な実力の持ち主なのだろう。
「一応聞くけど君達は
「はい、大丈夫です」
「私も大丈夫です。チャン?」
「そうか。ならもう初めていいかな?
「ここで名前で呼ぶのはやめろ!仕事中じゃないのか?」
「おっと失言してしまったね」
名前で呼んでいるということは
能力者専門学校の校長だしそんぐらいのツテはあるはずだ。
「聴取する前に私から
「そうか。なら先にどうぞ」
「単刀直入に言おう。対応に遅れてしまい、本当に申し訳なかった」
宮香校長は立ち上がり深く頭を下げる。
予想していなかった出来事に俺は
とりあえずこの状況はやばい。頭をあげさせなければ……。
「と、とりあえず頭を上げてください」
「……君達を危険にさらしてしまった。心から謝罪する」
「あのーすいません」
「一体何がこの学校で起きてたんですか?詳しいことを知らなくて……」
「そうだねー。詳しいことは教えられないけど、少しだけならいいかな」
「よろしく頼む」
「あの白いローブの奴らはある宗教団体『
「オリジン教?」
「能力を与えたとされる神・オリジンを信仰する宗教だよ。一応世界に広まってる宗教の一つだ。その宗教団体は各地で事件を起こしている。ま、
「なんでその人達が襲撃なんかしたんですか?」
「それを君達に聞こうと思ってね」
「え?」
「この学校の先生は血の気が多くてね。信者全員をノックアウトしてんだよ。まだ目が覚まさないから話を聞けやしない。君達は何か聞かなかったかなーって思って」
そんなボコボコにされたのだろうか。あれから少なくとも数時間経ってるはず。
それなのに目を覚まさないって、相当やられたんだろうな。
俺はあの時の事を思い出す。そういえば……。
「
「ん?試練?」
「はい。あの爆発を操る男がそう言ってました」
『俺はその神から
あの男はイカれていたが、信仰はしていた。相当宗教に入り浸っていたのだろう。
「やっぱりか……」
「やっぱり?」
「うん。こういうケースが何個かあってね。銀行強盗だったり、特定の建造物を破壊したりね。オリジン教関係者は口を揃えて、試練と言うんだ」
オリジン教。相当やばい宗教っぽいな。
試練のためなら犯罪をも
能力によって洗脳されているかも知れないが、だとしてもおかしいとしか言いようがない。
「そのオリジン教の信者が「試練」と称してこの
「なるほど……。ありがとうございます」
その後野見中が中庭の件を
男が
俺が……男を倒したこと。
「信じがたい出来事だな……。即死攻撃を食らったのに起き上がり、更にはその後返り討ちにする。その時能力が変わっていた……。悪いが専門外だなこりゃ」
「私もだ。その事に関して真空はどう思う?」
「……正直に言うと俺はその時の記憶がないんです。俺があの男を倒したのかどうか分からないんです」
「…………とりあえずこの後
先生たちでも今回の事は分からないらしい。
「これは賞状ものだぞ、
「出来ればやめてほしんですけど……」
「まあ、嫌なら良いんだが……」
嫌というか貰っていいのだろうか。何度も言うがその時の記憶がない。
俺が確かに男を倒したが、
それに目立ちたくないってのがある。
下手にヒーローとして祭り上げられるのは流石に心臓が保たない。
「あの……これで終わりですか」
「ん?ああ。この件ならもう大丈夫だ。ご協力ありがとう」
「では……」
「ああちょっと待ってくれ」
「まだ何か?」
「
「……別に構いませんが」
「私は……」
「君は帰っていいよ。ご協力感謝する」
野見中は申し訳無さそうな表情を浮かべる。
俺は野見中に対し「じゃ、また」と言うと、終始申し訳無さそうに校長室を後にした。
「あっ。言うの忘れてました。制服ありがとうございます」
俺はその事を思い出し、校長に礼をする。
「……ボロボロになっていたからな。費用はいらない」
「ありがとうございます。それにしても
「ま、まあそんな物だ」
「……どこ向いてるんですか?
この人達はあらぬ方向を向いていた。
俺の頭には疑問しか思い浮かばないが、特に気にするものでもないか。
「そんな事より、これはどういう事だ?
「………………」
「まだ質問があるなんて聞いてないぞ?許可したのはこの事件についてだけだ」
「
「は、はい」
「まさか……ダメだ!今すぐやめろ!!」
何が起こっているのか、全く理解できていない。
一体何を質問しようとしているのだろう。
聞いちゃいけないものでも俺に聞こうとしているのだろうか?
隠すような事、俺にあったか?もしかして声のことか?勘付いたのか?
「
俺の中の時間が止まる。
何故今ここでその質問が出てくるんだ?なんで?なんで?理解が……追いつかない。
「宮町崩壊事件はまだ解決していない。情報が足りないんだ。なんであの事件が起きたのか?犯人は誰なのか?何もわかってない。だから小さなことでも情報が必要なんだ」
「……知りません。何も知りません」
「本当に小さなことでもいい。何か、何かないのか?」
「知りません」
「思い出したくないのは分かる。君のお母さんのことについても」
「は?なんで?なんで?あんたがそれを………」
「君の事情は十分に分かっている」
「知らない知らない……」
呼吸が速くなる。色々な感情が、、、、頭で、、、、なんだ?、、、、分からない。
言葉に表せない。
「俺は!!!ナニモ!!シラナイ!!!!!」
「「「…………」」」
気づいたら立ち上がっていた。すぐにでも前にいる男の首を締めようとするぐらいの殺意が俺の中に湧いていた。
俺はそのまま扉まで向かう。
「
「……ああそうだ」
「失礼しました」
俺は校長室を後にする。まだ家に帰れそうにない。俺はこのまま三谷島先生のいる研究室に向かう。
「さっきのは一体どういう事だ!?」
宮香は立ち上がり、砂州宮に近づく。
「まあまあ落ち着いてくださいよ。校長」
奈加河は落ち着かせるように言う。
「落ち着いていられるか!
奈加河の言葉は宮香に伝わっていなかった。
「……ああわかってるさ。でも知りたかったんだ。あの時のことを」
申し訳無さそうに言う。相当反省をしているようだ。
「これからは絶対にあの子にその質問をするな。……そしてあの子のフォローをしろ。いいな?」
「
「そうか……。
「あのー。なんであのガキにこだわるんです?」
奈加河は当然の疑問を打ち明けた。
入学当初から言われた仕事、学校内での赫賀谷の監視。理由は特に聞かなかったが、ちょうどよい機会なので聞くことにした。
宮香は窓の外を見ながら言う
「それは……
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