第39話 ビッチ・は・どっち?

第39話


「ははっ、やっぱり凄いなぁ真夜の奴は。」


帰り道で一人、私はそう呟いた。


あの後、自称メイド?王女?な幼馴染を二人で引き剥がし、色々と暴れ回った。


と言っても、ゲーム桃○とか安全な物での勝負だっだが。


────いや、安全ではなかったな。


最後ら辺は醜いビンボー神の押し付け合いだったな………


ああいうのは、人の本性を露わにする様だ。


「お前もそう思うだろ、緋咲ちゃん?」


まぁ、そうね………


私も友達が居なかったから、新鮮な体験だったわ。


それよりも………


「それよりも、何だ?」


何ですか、あんな妄りな格好!!


「えっ、普通だろう?」


普通、あんな簡単に男性に肌を見せたりはしません!!


「いや、真昼の常識と緋咲ちゃんは全く違うというか、真逆なのは知ってるでしょ?」


まぁ、流石に彼処までは真夜にしかしないけどさ。


「私にとってはほぼ初対面の男の人なんですよ!!は、恥ずかしい上に、上半身全部を見られたんですよ!!!う、うぅ、もう死んじゃいたいよぉ………」


まるで、童貞の男みたいな反応してるなぁ、緋咲ちゃん。


いや、此方では処女な生娘って方が正しいのかな?


まぁ、何方にしろ同じ事か。


「そういうのは確か、アレだろ?責任取れって脅して、娶させる流れだろ?」


そのつもりですけど、違うんです!!


順序、って物があるでしょ!!


何なら、初めての時は綾子先輩も一緒に居て欲しいです。


一緒に楽しみたいです!!


「えぇ、変な奴だなお前。」


貴方に言われたくありません!!


「ねぇ、君!」

「ん?」


声に反応して振り向くと、其処にはチャラ女みたいな感じの男が居た。


いや、チャラ男でしょ………


まぁ、そっちの考え方ならそうなのかもね。


しかし、何の用だ?


「君、その格好は明らかに誘ってるでしょ?俺達と一緒に遊ばない?」


えっ、私が誘ってる?


「お前らがじゃなくて!?」

「は?」

「何言ってるの、コイツ?」

「格好と同じで頭もアレなんじゃね?」

「大丈夫か、不安になってきたぞ。」

「やれれば良いだろ。少し小さいが、胸はちゃんとあるぜ?」


何かチャラ男達を引かせてない?


いや、私の価値観的にそう見えるし………


ていうか、今の私って貴方のせいでビッチギャルみたいな格好なのよ?


ビッチ!?私は性欲と開放感に忠実なだけなのに酷くない!?


そういうのをビッチって言うんです。というか、何で送って貰うのを拒否したんです?


だって、そういうのは女の仕事だろ?


此方では男の仕事です。だから、今現在進行系で面倒なのに絡まれてるんでしょ?


「固まってるな、押せば行けるんじゃね?」


ムッ、失礼な奴だな。


真夜が居ない時の私なら渡りに船、鴨がネギを背負ってきたみたいな感じでさ、喜んで搾り取っただろうよ。


行ったんだ………


うん、間違いなく。でも、今は違うんだよ。


私、既婚者で大切な夫が居るんだ。


「一昨日来やがれビッチな坊や達。この私に不倫を誘うなんざ、百万年早いぞ♪」


今は真夜さんとは夫婦じゃないですよね、貴方。


過去はそうだからセーフだよ、緋咲ちゃん♪


続く


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