第34話 5人目

第34話


結論から言おうか。


「くそっ、何でまたこうなるんだ!!」

「なら、拒否れば良いじゃん。」

「やろうとすると、怪我させそうで怖いんだよ!!!」


特に、お前との記憶を思い出してから力のセーブが難しいんだよ!!


「はぁはぁ、また頭痛が………」

「心労なのか、記憶の復活か、どっちの痛みなんだろうなw」

「草生やすのやめろ!!」


お前、この状況を楽しんでるだろ!!??


「うぅ、頭が………」


あっ、相手も頭痛に苦しんでるな。


間違いなく、前世関連だ。


俺も何となく、思い出してきた………


☆☆☆


『なぁ、誘ってるんだろ、お前?』

『ひっ、そ、そんな訳………』


女の子に壁ドンされ、窮地に追い詰められてしまった。


こうならない様に気を付けてたのに………


どうして、僕はこの日に限って、学校に来てしまったのだろうか?


『ふ〜ん、じゃあ何で此処は元気になってるんだ?』

『ムグッ、ムグムグ!!!???』


下半身を弄られながら、僕は彼女に胸を押し付けられる。


その様子は、まるで反論を許さないかの様だった。


そして、腰が抜けかけた僕を、決して逃さないかの様に抱きかかえ………


『私に食べられたいんだろう?なぁ?』

『ち、違っ─────』


反論しようとした瞬間、口を相手の唇で塞がれる。


当然の様に舌を入れられ、口内をどんどんと犯し尽くされていく。


無理矢理に唾液を押し込まれ、無理矢理に自らの唾液をジュースを飲むかの様に飲ま込まれる。


『ゴクッ、ぷはぁ♪良い味♪♪』

『はぁはぁ………』


思わず息が荒くなる。


だ、駄目だ、このままじゃ………


『おっと、逃げるなよ?』

『ひっ!!』


ああ、もう駄目だ。


狩人が獲物を逃がす筈なんて、ある訳が無いのだ。


僕はこれから………


『へぇ、準備万端じゃん♪』

『ち、違っ!!』

『何が違うんだよ、こんなにドロドロにさせてるのにさぁ?』

『そ、それは………』


言い返し様がなかった。


嫌なのに、俺の身体は敏感に反応していた。


まるで、彼女を喜ばせるかの様に………


『本当は色々としたいが、俺の方も我慢が効かねぇんだ。』


彼女はペロリと、舌舐めずりをし………


『さぁ、此処から先は私の|ランチタイム《

セカイ》だ。』


☆☆☆


「くそっ、何で最初に思い出すのが碌な思い出じゃないんだ!!!」


割と最悪な出会いだよな、コレ………


無為の奴とタメを張るのではないだろうか?


流石に殺されかけてないから、コイツの方がマシなのか?


まぁ、童貞と命じゃ差があるのは当然だな、うん。


「そんなに酷い思い出なのか?」

「まぁ、うん。」


やってる事は普通に逆レ○プだしな………


「はぁ、久し振りだな、真昼まひる。」


痛みに悶えてるフリはそろそろ止めたらどうだ?


「くくっ、久し振りだな真夜まや?随分、なってるじゃねぇか?いや、この世界の基準で言うと、か?」

「そうだな。少なくとも、記憶を思い出す前のお前はよ。」


こら、さり気なくその格好で胸をはだけさそうとしてるんじゃない!


お前、今の記憶もあるんだから、自重してくれよ。


「ん?変な会話だな………」

「まぁ、色々と事情が混み合っててな。」


というか、変な会話なのは俺達も人の事を言えないだろうが、魔王。


「はぁ、色々と反転してるんだよ。」

「何が?」

「ははっ、簡単に言えば男女の考え方さ、愛しの綾子先輩♪例に例えると、痴漢をするの奴の殆どは男じゃなくて、女って感じよ!」


理解わかりやすいだろ?」と、彼女は愉しそうに笑った。


まぁ、確かにそうだけどさぁ………


「という訳で、改めて自己紹介だ。私の名は日暮ひぐらし 真昼。そこの可愛い真夜ちゃんのお嫁さんだゼ♪」

「お婿さんの真夜です、はい。」


や、やりにくいなぁ、コレ………


続く

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