第30話 三つ巴の殺戮者達
第30話
「最初から最後まで胸糞悪い話だったな。」
「そう?嗤える話だと思うけど。」
「それはお前が可笑しいだけだ、無為。」
聞いた俺達が悪いのだが、空気が最悪と最悪なのよ………
凄い気不味いというか、お前の前世の過去に援交や売春強制をマザルアップさせてるせいで、胸がキュウキュウするんだよ………
────あれ?
「そういや、まだあの美人局モドキの理由は聞いてないぞ?」
「アレ?そういうシチュエーションに無理矢理にでも持ち込んで、写真撮って、『強姦してるって通報するぞ?』って脅迫する為の奴だよ。」
「「早くそれを言えよ!!無駄に重い過去話よりそっちが聞きたかったわ!!!」」
どうしようかなぁ………
コイツから居場所を聞き出して、潰しにでも行くか?
魔王も着いて来てくれるだろうし、楽に終わらせれるな。
「あっ、撮影係はもう斬り殺しておいたから安心しなよ、我が愛。今時、リアルタイムで他所の場所に保存できる仕様じゃないと、脅すにも力不足よね。」
「何だ、そうなのか。ありがとうな………」
「はぁ、久し振りに殺戮案件かと思ったが、杞憂で良かった。
だよなぁ、一般人に人殺しなんて………
俺も最初は吐いたよ。
慣れると事務的にやれるんだけどね………
というか、目の前の彼女達はハイファンタジーとローファンタジーの違いがあるだけで、普通に前世では殺戮者だからな。
魔王は結婚したら全くしなくなったけど、無為の方は最後まで落ち着かなったし…
無駄に殺させない為に、わざわざ俺を斬らせて殺人欲を発散させてた位だし………
「はぁ、ここら辺の会話、ここあや白湯達には聞かせられねぇな、うん。」
「だな。お婆ちゃんや早柚には刺激強いだろうな、一般人だし。」
「ん?誰の事だい、我が愛?」
そういや話してなかったな。
この際だ、色々と話しておくか………
「滅茶苦茶複雑なんだが、俺達以外にも前世の記憶を思い出した奴等が居てな。」
「成る程、妾達がまだ居るんだね。今世でも女たらしなのかい?」
「ああ、やっぱりお前の世界でもそうなんだな、俺の勇者は………」
「人聞きが悪過ぎるぞ、お前ら………」
ていうか、変なマウント合戦は余計な軋轢を生むだけだぞ?
そもそも、魔王との世界では、俺の力目当ての奴しか居なかっただろ?
「何を考えているかは何となく
「そっちもそんな娘が居たのね。私の世界でも、我が愛の
「「はぁ、そういう所だ(よ)ぞ………」」
煩いわ、ファンタジー殺戮ガールズ。
「そういや、お前はこれからどうするつもりだ?」
「う〜ん、取り敢えずは現代じゃ絶対に迷宮入りしそうな方法で、お父さん達を斬り殺すつもりだよ。」
「手伝おうか?」
「良いよ、私の実益を兼ねた生命維持活動でしかないし。」
「
「凄い物騒な会話だな、お前ら………」
自覚はあるよ、自覚は。
まぁ、コイツはそういう奴だし、止めた方が酷い事になるからなぁ………
だって、前世で止めようとした奴のせいで、佐賀県が地図から消えかけたし………
「まぁ、今日はもう遅い。二人とも、泊まってくか?」
「「泊まる!!」」
「お、おう。息ピッタリだな………」
割と仲良くなりそうだな、このファンタジー殺戮ガールズ。
続く
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