幕間3 記憶が戻った瞬間(アリス・ユークリッドの場合)

幕間3


閨の中で色々とクロウをイジメ尽くした後、アリスはというと…


「すぅすぅ………」


彼女の胸の中で眠るクロウを、愛おしそうに見つめていた。


「可愛かったぞ、クロウ………」


うん、同意。


心の中のもう一人の私、和泉もそう頷いていた。


「しかし、趣味が合うな、私達は………」


和泉アリス貴方アリス貴方和泉


当然の帰結。


「ふふ、そうだな。私は君だ。」


これ程までに、相性の良い人格は無いのではないだろうか?


同意、飛鳥と同じレベル。


「だね。アレは同一と言っても良い。」


記憶の数だけ人格があり、其々に差異があるのは当然だ。


アリスと和泉私達だって、細かい所は違うのだ。


だが、クロウ飛鳥にはそれが無い。


全く、凄い男だ………


「次、私にやらせて。」


勿論、その時までに彼の貪り方を教えてあげよう。


「ありがとう。」


どういたしまして。


「まさか、私がSなんて………」


驚いたかい?


「正直、驚愕。」


最初は誰もそうだよ、自覚した時は悩み抜く物さ。


でも、後悔は皆無なんだろう?


「肯定、リターンが膨大。」


そうだね、私も嬉しい位にリターンを貰っているからね。


その気持ちは理解わかり過ぎるよ。


「疑問。何のリターンが?」


私はかつて、クロウのメイドだった。


でも、王族としての責務を負う様になってから、尽くす事は出来なくなった。


「私の立場、平民。」


そう、だから昔の様に出来る。


「そして、君は私によって性癖を満たせられるだろう?」


WinーWin。


「そういう事だね。需要と供給が安定している限りは、私達が争う理由はないだろう?」


皆無。


「だから、今後とも宜しくね和泉?」

「了承、アリス。」


こうして、アリス和泉の奇妙な共闘生活が始まったのであった。


続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る